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JAIST MOS TOPデザイン力:ビジネスとエスノグラフィ

ビジネスとエスノグラフィ

伊藤 泰信

この講義では、生活者(消費者)の活動、ひいては人間の活動というものを、トータル(全体論的)に捉える、文化人類学的な視角および調査手法(エスノグラフィ)を、その基礎から学ぶことを目的としている。

今日、生活者(消費者)の価値観や嗜好は多様化・複雑化し、マーケッター・開発者の思いこみだけでサービスや製品を作ることの限界が言われ始めている。合理的な思考を持ち、言葉で自らの経験を説明しうる人々として生活者(消費者)を捉えてしまってきたこと、また、生活者の心、身体、それを取り巻く環境(社会・文化)は、個々に独立した事象として説明しうると考えられてきたことに、従来の市場調査やマーケティング活動における大きな誤りがあったのだと指摘する経営学者もいる。人間の活動というものをトータル(全体論的)に捉える文化人類学の基礎を学ぶことで、消費行動調査や業務改善、ユーザビリティ調査など、(それらへの批判的な議論も含めて)広義のビジネスに有用な視角や可能性について検討する。