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研究概要(研究室ガイド)やプレスリリース・受賞・イベント情報など、マテリアルサイエンスの研究室により公開された情報の中から、興味のある情報をタグや検索機能を使って探すことができます。消化酵素で分解するナイロンを開発 ―プラスチック誤飲事故の軽減、海洋生態系維持へ―
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| 国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学 独立行政法人 環境再生保全機構 |
消化酵素で分解するナイロンを開発
―プラスチック誤飲事故の軽減、海洋生態系維持へ―
ポイント
- 海洋プラスチックごみは誤飲するなど海洋生物への悪影響がある
- 従来の生分解性プラスチックは性能が低い問題がある
- 植物由来分子であるイタコン酸とアミノ酸からナイロンの開発に成功
- 従来ナイロンよりも高性能かつ人工胃液で分解・崩壊する性質を発見
| 環境再生保全機構(ERCA)が実施する環境研究総合推進費の一環として、北陸先端科学技術大学院大学・先端科学技術研究科 環境・エネルギー領域の金子 達雄教授らは、植物由来分子であるイタコン酸とアミノ酸であるロイシンからバイオナイロンを合成する手法を見出し、従来のナイロンよりも高耐熱・高力学強度であり、かつ胃に含まれる消化酵素であるペプシンで分解するバイオナイロンを開発しました。 海洋プラスチックごみ問題が深刻化する中、鳥類やクジラ類などの海洋生物が誤ってプラスチックごみを飲み込むことによる生態系への被害が問題視されています。生分解性プラスチックの中には海洋環境で分解するものがあり、中には消化酵素で分解するものも開発されているため本問題を解決するために重要であると考えられています。しかし、そのほとんどは柔軟なポリエステルであり耐熱性や力学強度の点で問題があります。このため用途は限られ、主に使い捨て分野で使用されているのが現状です。今回、金子教授らは、麹菌などが糖を変換して生産するイタコン酸および天然分子として有名なロイシンなどを原料にして、一般的なナイロンの原料の一つであるヘキサメチレンジアミンなどを反応させることでバイオナイロンを合成する条件を見出しました。得られたバイオナイロンはガラス転移温度が100℃を超え、力学強度が85MPaを超える高性能ナイロンであることも確認されました。これはナイロン中に硬い構造であるヘテロ環が含まれることに起因します。 また、アミノ酸には右手と左手の関係のような鏡像体が存在することが知られていますが、この鏡像関係にある一対のアミノ酸を混合するとナイロンの物性が向上することも見出されました。特に、L-ロイシンから得られるナイロン樹脂は胃中の消化酵素であるペプシンの存在下で崩壊し分子量も低下することが分かりました。今後、海洋ごみの中でも被害の多い釣り糸や漁網などへの応用を目指し、さらには自動車エンジン周りなどで使用されているナイロンを代替する物質として設計する予定です。将来的には海洋ごみ問題解決への道しるべを提供するだけでなく、大気中二酸化炭素削減などへの波及効果も考えられます。 本成果は2021年4月30日に独国科学誌「Advanced Sustainable Systems」(インパクトファクター4.87(2019-2020))のオンライン版で公開されました。 |
| 本開発成果は、以下の事業・開発課題によって得られました。 研究開発期間:令和2年度~4年度(予定) 事業名 :環境再生保全機構(ERCA)環境研究総合推進費 開発課題名 :「バイオマス廃棄物由来イタコン酸からの海洋分解性バイオナイロンの開発」 チームリーダー:金子達雄(北陸先端科学技術大学院大学 教授) ERCA環境研究総合推進費は、気候変動問題への適応、循環型社会の実現、自然環境との共生、環境リスク管理等による安全の確保など、持続可能な社会構築のための環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発の促進を目的として、環境分野のほぼ全領域にわたる研究開発を推進しています。 |
<開発の背景と経緯>
植物などの生体に含まれる分子を用いて得られるバイオマスプラスチックは材料中に二酸化炭素を固定することにより、二酸化炭素濃度を削減し、低炭素社会構築に有効であるとされています。その中でも生分解性を有するものは、昨今深刻化する海洋プラスチックごみ問題の解決の糸口を与えるものと注目されています。特に、鳥類やクジラ類などの死骸の胃の中を調査するとプラスチックごみが蓄積している場合があり、それが原因で死に至った可能性が指摘されています。つまり、プラスチックごみの誤飲による生態系への被害が問題視されています。生分解性プラスチックの中には海洋環境で分解するものがあり、中には消化酵素で分解するものも開発されているため本問題を解決するためのキー材料となると考えられています。しかし、生分解性プラスチックのほとんどは柔軟なポリエステルで耐熱性や力学強度の点で問題があります。このため用途は限られ、主に使い捨て分野で使用されているのが現状です。たとえばPHBHと呼ばれる脂肪族ポリエステルは代表的な海洋分解性プラスチックを与えますが、その主骨格は一般的な工業用プラスチックに用いられる高分子に比べて柔軟であり、そのガラス転移温度は0℃付近であり室温での使用のためには高結晶化が余儀なくされます。また力学強度も20-30MPa付近です。(参考:ポリエチレン、塩ビ、ポリプロピレンなどの汎用プラスチックは20-70 MPa程度)
研究チームは、麹菌などが糖を変換して生産するイタコン酸を用いてバイオナイロンを開発することを目的として研究を進めていますが、アミノ酸であるロイシンなどを導入した新たなモノマーを合成し、一般的なナイロンの原料の一つであるヘキサメチレンジアミンなどを反応させることでバイオナイロンを合成する条件を見出しました(図1)。得られたバイオナイロンはガラス転移温度が100℃を超え、力学強度が85MPaを超える高性能ナイロンであることも確認されました(表1)。この高性能発現はナイロン中に硬い構造であるヘテロ環が含まれることに由来します。
最後に、L-ロイシンから得られるナイロン樹脂を合成し、これが胃中の消化酵素であるペプシンの存在下で崩壊(図2)し分子量も低下することが見いだされました(図3)。今後、海洋ごみの中でも被害の多い釣り糸や漁網などへの応用を目指し、さらには自動車エンジン周りなどで使用されているナイロンを代替する物質として設計する予定です。将来的には海洋ごみ問題解決への道しるべを提供するだけでなく、大気中二酸化炭素削減などへの波及効果も考えられます。
<代表的作成方法>
ロイシン由来のジカルボン酸1-((S)-1-カルボキシ-3-メチルブチル)-5-オキソピロリジン-3-カルボン酸とヘキサメチレンジアミン(1.3g、10mol)をそれぞれアセトニトリルに溶解させた後に溶液を混合することでナイロン塩を析出させました(収率96%)。白色のナイロン塩を真空乾燥後170-180℃、50-60 rpmで激しく攪拌しバルクで重合しました。6時間後、粘性のあるポリマー溶融物が形成されました。これをDMFに溶解しアセトンに再沈殿することで精製を行いました。
<今回の成果>
今回の成果は大きく分けて2つ示すことができます。
1)鏡像関係にあるアミノ酸を分子鎖で混合したナイロンを合成することで、結晶化度および熱的力学的物性が向上することを発見
一般に再生可能な原料から得られる高分子は、熱的力学的性能が低く製造コストも高くなります。したがって、化石ベースのリソースと比較してパフォーマンスを向上させることができる合成アプローチを開発し、バイオベースのモノマーを利用することが重要です。ここでは、再生可能なイタコン酸とアミノ酸(D-またはL-ロイシン)から派生した新規な光学活性ジカルボン酸の生産に成功しました。まず、イタコン酸由来のイタコン酸ジメチルを出発物質として、剛直な不斉中心を持つ複素環式ジカルボン酸モノマーを高純度で得ました。これらのモノマーからアモルファスでありホモキラリティーを有するD-またはL-ロイシン由来のポリアミドを合成し、かつこれらをモノマー段階で混合したもの、オリゴマー段階で混合し追重合を行ったものを対象として研究を進めました(図1)。その結果、D-ロイシン由来のポリマー鎖とL-ロイシン由来のポリマー鎖との複合体は結晶化し、その結晶化度は36%に達しました。これは、キラル相互作用に由来するものと考えられます。得られた樹脂は、ガラス転移温度Tgが約117°C、溶融温度Tmが約213°Cであり、ポリアミド11などの従来のポリアミド(Tg約57°C)よりも高い値を示しました。さらに2.2〜3.8 GPaの高いヤング率および86〜108 MPaの高い力学強度を示しました(表1)。
2)バイオナイロン樹脂がペプシンの作用により崩壊し分解することを発見
バイオナイロンの酵素分解を、哺乳類の胃の消化酵素であるペプシンを使用して調べました。少量(150 mg)のポリアミド樹脂(Mw; 24,300-26,400 g / mol)と1 wt%のペプシン(5 ml)をpH 4.0のバッファーに入れて分解試験を行いました(対照実験はペプシンなし)。サンプルをインキュベーター内で37°Cで6週間振とうした結果、時間の経過に伴い平均分子量が24,300〜26,400 g / molから14,600〜16,500 g / molに減少することがわかりました(図3)。ペプシンによるナイロンの分解中の視覚的変化も崩壊現象として確認されました(図2)。研究チームは以前に、イタコン酸由来ポリアミドのピロリドンの開環反応を報告しましたが、今回発見した酵素分解はピロリドンの開環を誘発したと考えられます。ここで発見したペプシン分解は、哺乳類が当該ナイロン系プラスチックを誤飲した場合でも、哺乳類の消化管の安全性を維持することにつながる可能性があります。
<今後の展開>
本成果によりイタコン酸由来バイオナイロンの構造的な広がりが提案できました。今後、海洋ごみの中でも被害の多い釣り糸や漁網などへの応用を目指し、さらには自動車エンジン周りなどで使用されているナイロンを代替する物質として設計する予定です。将来的には海洋ごみ問題解決への道しるべを提供するだけでなく、大気中二酸化炭素削減などへの波及効果も考えられます。
<参考図>
図1 (A)イタコン酸とアミノ酸からなるジカルボン酸モノマーの合成
(B)(A)のジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンからのバイオナイロンの重合反応式
表1 バイオナイロンの物性表


図2 バイオナイロンがペプシン存在下で崩壊していく様子
図3 ペプシンを作用させたD-ロイシン由来バイオナイロンのGPC
【論文情報】
| 雑誌名 | Advanced Sustainable Systems |
| 題名 | High-performance BioNylons from Itaconic and Amino Acids with Pepsin Degradability (ペプシン分解性を示すイタコン酸とアミノ酸からの高性能バイオナイロン) |
| 著者名 | Mohammad Asif Ali,Tatsuo Kaneko* |
| 掲載日 | 2021年4月30日にオンライン版に掲載 |
| DOI | 10.1002/adsu.202100052 |
令和3年5月10日
出典:JAIST プレスリリース https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2021/05/10-1.html機能性バイオマテリアルで難治性疾患を治療する
機能性バイオマテリアルで難治性疾患を治療する
先端ナノ医療・長寿創生研究室
Laboratory on Advanced Nanomedicine and Longevity Creation
教授:栗澤 元一(KURISAWA Motoichi)
E-mail:
[研究分野]
バイオマテリアル、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、ナノメディシン、再生医療
[キーワード]
生体内分解性高分子、ナノ粒子、緑茶カテキン、インジェクタブルゲル、薬物徐放・ターゲッテイング、細胞治療
研究を始めるのに必要な知識・能力
高分子化学の基礎知識があれば、問題なく研究を始めることができますが、入学前に特別な知識・能力がなくても大学や企業で活躍出来るように本気で指導します。要は日々の研究活動に対する心構え次第で、いくらでも成長できます。そのためには自他共栄の精神を研究スタッフ・学生と共有できる研究室づくりが大切だと考えています。
この研究で身につく能力
栗澤研究室では、ナノ粒子やゲルの設計・合成、キャラクタリゼーションを行い、細胞実験や動物実験によって、目的とする機能が十分であるのか否かを評価します。幅広い領域を学ぶので、種々の測定装置や実験手法の基礎を身につけることができます。動物実験を完了するころには、緻密な実験計画を立てる能力、討論・プレゼンテーション能力を習得することができます。研究目的を達成することに邁進することは大事なのですが、フェアに実験結果を評価できる能力を習得できるように指導します。
【就職先企業・職種】 大学教員、博士研究員、特許審査官、化学企業、製薬企業
研究内容

図1.緑茶カテキン・ナノ粒子による疾患治療
当研究室では、高分子科学、生体材料、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、再生医療などの学問領域を基盤とし、難治性疾患を治療可能とする機能性生体材料を開発します。昨今、遺伝子治療や再生医療などを含む先端医療が実施され、これまでに治療不可能とされてきた疾患に新しい治療法が切り拓かれてきています。このような先端医療を支える生体材料に関する研究は、難治性疾患を将来的に治療可能とする医療技術開発において益々重要な役割を果たすものと考えられます。シンガポール、韓国、米国をはじめとする海外研究機関との共同研究を展開しており、臨床応用及び産業化を目指した研究開発を推進します。
[緑茶カテキン・ナノ粒子を用いたドラックデリバリーシステム]
栗澤研究室では、タンパク質・抗体・低分子・核酸などの性質の異なる医薬品の内包を可能とする緑茶カテキン誘導体を薬物キャリアとしたナノ粒子の開発によって、癌をはじめとする難治性疾患の治療を目指したドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究を展開します(図1)。 緑茶カテキン・ナノ粒子は、薬物を疾患部に送達することを主な目的とした従来のDDS製剤とは異なる設計指針によって開発されています。疾患部への送達に加えて、薬物キャリアの主成分である緑茶カテキンが抗癌活性を有するために、薬物と緑茶カテキンのそれぞれの抗癌活性に基づくシナジー効果によって、抗腫瘍効果を増幅することを特徴としています。

図2.インジェクタブルゲル・システムによる医療応用
[インジェクタブルゲルによるヘルスケアへの貢献]
生体内での安全なハイドロゲル形成を可能とするインジェクタブルゲルシステムの開発及びその生体機能性材料としての応用研究を展開します。従来、注射によって生体内で安全に化学架橋を誘導する事は困難でありましたが、高分子—フェノールコンジュゲートと酵素溶液の同時注入により、コンジュゲート中のフェノールの酸化カップリングを誘導し、生体内で安全にゲル化させるプラットホームテクノロジーを開発しています(図2)。この手法によって、生体内で薬物及び細胞をゲル内に固定し、長期間に及ぶ薬物徐放及び細胞増殖・分化の制御が可能となることから、様々な疾患に対して新たな治療法をDDS及び再生医療分野において確立されることが期待されます。
主な研究業績
- N. Yongvongsoontorn, J. E. Chung, S. J. Gao, K. H. Bae, M. H. Tan, J. Y. Ying, M. Kurisawa, Carrier-enhanced anticancer efficacy of sunitinib-loaded green tea-based micellar nanocomplex beyond tumor-targeted delivery, ACS Nano 13, 7591-7602 (2019).
- K. Liang, J. E. Chung, S. J. Gao, N. Yongvongsoontorn, M. Kurisawa, Highly augmented drug loading and stability of micellar nanocomplexes comprised of doxorubicin and poly(ethylene glycol)-green tea catechin conjugate for cancer therapy, Adv. Mater. 30, 1706963 (2018).
- J. E. Chung et al. Self-assembled nanocomplexes comprising green tea catechin derivatives and protein drugs for cancer therapy, Nature Nanotechnol. 9, 907-912 (2014).
使用装置
紫外可視分光光度計、NMR、動的光散乱測定装置、HPLC、レオメーター、電子顕微鏡、細胞培養装置、動物実験関連機器
研究室の指導方針
学生に寄り添うスタイルで研究室を運営することをモットーとします。研究のディスカッションや勉強会・雑誌会はできる限り、 頻繁に行い、学生の研究能力の向上に努めます。当然ながら、レベルの高い研究成果を多く創出することは重要ではありますが、学生には先ず、自身が携わっている学問や研究が開拓しうる将来の社会を楽しく想像しながら研究することを提案します。応用研究を遂行する際には、社会貢献の可能性について、学生と十分に議論し、将来に学生が社会でリーダとして活躍するべく力を養う機会にします。また、学生であっても情報受信だけではなく、情報発信ができるよう指導いたします。学生の興味や個性をよく把握し、学生の能力を伸ばします。研究室内では常に世界の最先端の研究を意識しつつ、研究室もその舞台の中であり、世界に向けて発信したいと強く学生が意識する雰囲気を創ります。
[研究室HP] URL:https://kurisawa-lab.labby.jp/
ナノとバイオを融合して医療と環境の問題を解決する
バイオナノ医工学デバイス 研究室" width="146" height="220" class="imgR" />
ナノとバイオを融合して
医療と環境の問題を解決する
バイオナノ医工学デバイス 研究室
Bio-Nano Medical Device Laboratory
教授:高村 禅(TAKAMURA Yuzuru)
E-mail:
[研究分野]
BioMEMS、微小流体デバイス、分析化学、バイオセンサ
[キーワード]
血液分析チップ、一細胞解析、質量分析チップ、マイクロ元素分析、微細加工プロセス、バイオチップ、マイクロプラズマ
研究を始めるのに必要な知識・能力
私たちが扱う対象は分野融合的要素が強く、従って本研究室では様々なバックグラウンドの学生を受け入れております。生物、化学だけでなく、物理、機械、電子、制御、材料など、個人のバックグラウンドに応じたテーマを設定し、研究を進めます。
この研究で身につく能力
何かを解析するチップの研究が多いので、分析科学の要素は押し並べて身につきます。微量なサンプルを扱うので、微量な生体サンプルのハンドリング技術、生体分子と無機材料の界面の調整技術、微量な蛍光や光信号の観察・計測技術等が身につきます。また、チップを作成するには、フォトリソグラフィー等、マイクロマシンの技術が身につきます。新しい材料を使う場合は、成膜やエッチングの為のプロセス開発を行うこともあります。チップの開発では、流体の動きや熱の伝達をシミュレーションし設計することもあります。修了生は、計測機器メーカへの就職が多いですが、半導体製造機器メーカや、薬品会社へ就職する方もいらっしゃいます。
【就職先企業・職種】 計測機器メーカ、電気、機械、半導体製造機器メーカ、半導体メーカ、薬品関連
研究内容
半導体プロセスを応用して、ウエハ上に小さな流路や反応容器、分析器等を作りこみ、一つのチップの上で、血液検査等に必要な一通りの化学実験を完遂させようという微小流体デバイス、μTAS(micro total analysis systems)やLab on a chipと呼ばれる研究分野が急速に発展しています。これは、病気の診断、創薬、生命現象の解析に応用でき、大きな市場と新しい学術分野を開拓するものとして期待されております。また、いろいろな形状の微小流路内を、流体や大きな分子が流れるときの挙動は、ブラウン運動や界面の影響が支配的で、流体力学でも分子動力学でも扱えない新しい現象を含んでいます。当研究室は、このような新しい現象をベースに、ナノとバイオを融合した次世代のバイオチップ創製を目指した研究を行っています。
主なテーマを次に示します。

図1.作成したバイオチップの例

図2.汎用微小流体チップ案
1)高集積化バイオ化学チップの開発
高機能バイオチップの実現には、チップ内での流体の駆動機構と、高感度な検出器の開発が重要になります。本研究室では、溶液プロセスによるPZTアクチュエータアレイや電気浸透流ポンプをはじめ様々なチップ内での液体駆動機構と、ナノ材料を駆使した新しい検出器の開発を進めています(図1)。これらを用いて、組織中の一細胞を分子レベルで解析可能なチップや、高度な処理をプログラム次第で様々にこなす汎用微小流体チップの開発を目指しています(図2)。
2)高感度バイオセンシング技術の開発
一滴の血液には、体内の様々な状態を反映した多くの情報が含まれております。これらを頻繁に解析することで、重篤な病気の超早期発見や、日々の健康管理、あるいは老化や病気が起きにくい体質になるために食事や運動をガイドする等、様々なことが可能になると考えられております。このためには、非常に微量なバイオマーカを簡易に測定する技術が必要です。私どもは、自己血糖測定器と同じ手間とコストでpg/mLオーダの測定ができるチップや、質量分析チップの開発を行っております。
3)液体電極プラズマを用いたマイクロ元素分析器の開発
中央を細くした微小な流路に液体のサンプルを導入し、高電圧を印加するとプラズマが発生します。このプラズマからの発光を分光することにより、サンプル中の元素の種類と量を簡単・高感度に測定することができます。この原理を用いて、食物、井戸水、土壌工場廃水・廃棄物に含まれている有害な金属(Hg、Cd、Pbなど)などを、オンサイトで測定できるマイクロ元素分析器の開発を行っています。
主な研究業績
- Pulse-heating ionization for protein on-chip mass spectrometry,Kiyotaka Sugiyama, Hiroki Harako, Yoshiaki Ukita, Tatsuya Shimoda, Yuzuru Takamura, Analytical Chemistry, 86, 15, 7593-7597, 05 August 2014.
- Development of automated paper-based devices for sequential multistep sandwich enzyme-linked immunosorbent assays using inkjet printing, Amara Apilux, Yoshiaki Ukita, Miyuki Chikae, Orawom Chilapakul and Yuzuru Takamura, Lab Chip,13(1), 126-135, January 2013.
- High sensitive elemental analysis for Cd and Pb by liquid electrode plasma atomic emission spectrometry with quartz glass chip and sample flow, Atsushi Kitano, Akiko Iiduka, Tamotsu Yamamoto, Yoshiaki Ukita, Eiichi Tamiya, Yuzuru Takamura, Analytical Chemistry 83(24), 9424-9430, 04 November 2011.
使用装置
クリーンルーム半導体製造装置一式
電気化学測定装置
表面プラズモン共鳴測定装置
イムノクロマトグラフ製造装置
全反射蛍光一分子観察装置
研究室の指導方針
iPS細胞など最近の新しい医療技術の多くは、新しい工学的技術の進歩が発端になっていることをご存知でしょうか。その多くに、高度に発展したナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合技術が使われています。この分野は、まさに今アクティブで、また人類への多くの貢献が期待されている分野でもあるのです。私どもの研究室には、様々なバックグランドと目的を持った学生さんが来ます。私どもは一人ひとりの目的に合わせたゴールを設定し、そこに向かって必要なものを自ら獲得できる様に、サポートとガイドを行うことを主な指導方針としています。
[研究室HP] URL:https://www.jaist.ac.jp/ms/labs/takamura/index.html
ナノバイオテクノロジー
ナノバイオテクノロジー
ナノバイオ研究室 Laboratory on Nanobiotechnology
講師:高橋 麻里(TAKAHASHI Mari)
E-mail:
[研究分野]
ナノ材料科学、細胞生物学
[キーワード]
ナノ粒子、バイオ医療応用
研究を始めるのに必要な知識・能力
探求心があり、努力することを厭わず、向上心がある方ならバックグランドが違っていても研究を楽しむことができます。研究テーマに対して、自分がこの研究を進めるんだという主体的な立場にたつことが必要です。共同研究をすることが多いため、協調性やコミュニケーション能力も必要となります。
この研究で身につく能力
ナノ粒子の合成法、構造・特性評価及び解析方法に関する幅広い知識。金属・磁性・半導体材料とナノ粒子にすることで現れる特徴的な性質に関する一般的な知識。細胞生物学に関する一般的な知識。新たな課題に対して取り組むチャレンジ精神。
【就職先企業・職種】 製造業(化学、精密機器、ガラス・土石製品、繊維製品、その他製品など)
研究内容
ナノ粒子のバイオ医療応用に関する注目は年々高まっています。私達は金属・半導体・磁性体をナノサイズにすることで現れるバルクとは異なる性質を利用して、ナノ粒子のバイオ医療応用に関する研究を行っています。応用先は様々ですが、主に下記に示す3つの内容に力を入れており、それぞれの用途に合わせたナノ粒子の合成から構造解析、特性評価、応用までの一連の流れを一人の学生が担当して研究を進めます。
1. 磁性体ナノ粒子を用いた細胞内小器官の磁気分離
正常細胞と機能欠損細胞から細胞内小器官を分離し、タンパク質を解析し比較することは、疾患の分子機構の解明において重要です。超常磁性体ナノ粒子を合成し、表面を生体分子で機能化した粒子を用い、細胞内小器官を迅速かつ温和に磁気分離し、生化学的手法による解析を行います。種々の細胞内小器官の磁気分離法の構築や機能欠損細胞のタンパク質解析を通して、最終的には創薬分野への貢献を目指します。
2. 磁気粒子分光を用いたイムノアッセイ
人生100年時代と言われる現代、私達が健康に長生きするためには、疾病の早期発見のための診断技術・精度の向上がますます重要となります。磁気粒子分光(MPS)を用いたイムノアッセイ(抗原抗体反応を用いた抗原の検出)では、種々の磁性体ナノ粒子を合成しMPSで評価し、感度が高いプローブを複数選択することで同時多抗原検出を目指します。
3. アップコンバージョンナノ粒子による光遺伝学的研究
アップコンバージョンナノ粒子とは、波長が長い入射光を照射した際に波長が短い発光を示す蛍光体ナノ粒子です。光遺伝学とは光受容タンパク質を遺伝学的に細胞に発現させ、光で細胞の応答を制御する技術で、この2つを組わせることで、光による生体組織の制御を行う研究をしております。
主な研究業績
- D. Maemura, T. S. Le, M. Takahashi, K. Matsumura, and S. Maenosono: "Optogenetic Calcium Ion Influx in Myoblasts and Myotubes by Near-Infrared Light Using Upconversion Nanoparticles" ACS Appl. Mater. Interfaces 15 (2023) 42196
- T. S. Le, M. Takahashi, N. Isozumi, A. Miyazato, Y. Hiratsuka, K. Matsumura, T. Taguchi, S. Maenosono: "Quick and Mild Isolation of Intact Lysosomes Using Magnetic–Plasmonic Hybrid Nanoparticles" ACS Nano 16 (2022) 885
- T. S. Le, S. He, M. Takahashi, Y. Enomoto, Y. Matsumura, and S. Maenosono: "Enhancing the Sensitivity of Lateral Flow Immunoassay by Magnetic Enrichment Using Multifunctional Nanocomposite Probes" Langmuir 37 (2021) 6566
使用装置
透過型電子顕微鏡(TEM) 超伝導量子干渉磁束計(SQUID)
走査透過型電子顕微鏡(STEM) 動的光散乱測定装置(DLS)
X線回折装置(XRD) 共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)
X線光電子分光装置(XPS) 核磁気共鳴装置(NMR)
研究室の指導方針
常に新しい内容の研究を行っており、研究内容に関しては教員が学生へ毎回指示を与えるのではなく、学生自身にも実験と論文調査から次の方向性を決めるといった、一緒に研究を進めていくスタンスで研究を行います。その過程で卒業後の進路(就職希望か進学希望)に合わせて必要な基礎知識と研究力が身につくように指導します。また、分野外の方でも最前線の研究が行えるように効率的な努力の仕方や学習法を身に着けられるように指導しますので、心配なことや研究に関する疑問等は積極的に相談してください。そのためにはコミュニケーション能力も重要であり、卒業後の社会人にとって必要不可欠なスキルが身につくようにサポートします。
[研究室HP] URL:https://www.jaist.ac.jp/~shinya/
令和8年度 第1回 超越バイオメディカルDX研究拠点 ネオ・エクセレントコアセミナー
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日時 | 令和8年5月28日(木) 16:00~17:00 |
| 場所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演者 | Xenolis Pte. Ltd. Chief Scientific Officer 平尾 一郎 博士 Chief Operating Officer, R&D Director 木本 路子 博士 |
| 講演題目 | 人工塩基対による遺伝子アルファベット拡張技術の創出とその応用 |
| 使用言語 | 日本語 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ前日までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 教授 栗澤 元一 (kurisawa |
バイオ機能医工学研究領域の藤本教授らの論文がChemBioChem誌の表紙に採択
バイオ機能医工学研究領域の藤本健造教授らの「長鎖DNA2本鎖を配列選択的に光で操作する方法論開発に成功!」に係る論文が、ChemBioChem誌の表紙に採択されました。本研究は、文部科学省科研費 基盤研究(B)(24K01644)、文部科学省科研費 「学術変革領域研究(A)公募研究」(23H04411)の支援により実施されたものです。
■掲載誌
ChemBioChem, Volume 27, Issue 1
掲載日:2026年1月7日
■著者
Zumila Hailili, Yasuha Watanabe, Siddhant Sethi, Kenzo Fujimoto *
■論文タイトル
Photo-Induced Ultra-Fast Duplex Invasion Targeting Long-Range Double-Stranded DNA Using Artificial Nucleotide
■論文概要
本研究では、光誘起二重鎖侵入(pDI)という新しい方法論を提案し、従来困難とされていた1本の核酸プローブのみでDNA2本鎖を配列選択的に操作することに成功しました。3-シアノビニルカルバゾールヌクレオシド(CNV)で修飾された単一の侵入鎖が、紫外線照射下では、DNAらせんを急速に解き、長い二本鎖DNA中の標的配列に配列選択的に架橋するという新しいpDIのメカニズムを見いだしました。論文の中で、特定の遺伝子配列を認識するpDIの高効率性を示すだけでなく、高速操作性についても同時に実証していることから、光を用いた新たな高速遺伝子診断・遺伝子治療技術の創出が期待されます。
表紙詳細:https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cbic.70191
論文詳細:https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/cbic.202500626
令和8年1月29日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2026/01/29-1.html令和7年度 第4回 超越バイオメディカルDX研究拠点 ネオ・エクセレントコアセミナー
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日時 | 令和8年1月23日(金) 15:00~17:00 |
| 場所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演題目 /講演者 |
15:00-16:00 「濃厚ポリマーブラシ付与ナノ繊維と細胞の自己組織化過程の理解と操作」 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS) 高分子・バイオ材料研究センター 高分子材料分野 表面制御高分子チーム チームリーダー 吉川 千晶 氏 16:00-17:00 「タンパク質・ペプチドアンカーリング科学、生体非応答高分子科学の学術・ 産業基盤の創出を目指して」 富山大学 学術研究部工学系、大学院医薬理工学環、大学院理工学研究科 准教授 中路 正 氏 |
| 使用言語 | 日本語 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ前日までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 拠点長 松村 和明 (mkazuaki |
令和7年度 第3回 超越バイオメディカルDX研究拠点 ネオ・エクセレントコアセミナー
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日時 | 令和7年12月19日(金) 15:00~16:10 |
| 場所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演者 | 宮崎大学工学教育研究部化学生命プログラム担当 大島 達也 教授 |
| 講演題目 | 大学教育研究×AI・データサイエンス×情報発信:溶かす技術開発を通じて |
| 使用言語 | 日本語 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ前日までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 教授 都 英次郎 (e-miyako |
令和7年度 第2回 超越バイオメディカルDX研究拠点 ネオ・エクセレントコアセミナー(科研費「新規細胞内氷晶形成測定法の開発と次世代三次元組織凍結保存」共催セミナー)
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日時 | 令和7年10月24日(金) 13:30~16:55 |
| 場所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 概要 | 本セミナーでは、凍結保存の新展開を切り拓く先端センシング技術を紹介します。高分子凍結保護剤の開発から、高磁場DNP-MAS-NMRやダイヤモンド量子センサー、スーパーコンピュータを活用した計算科学、さらにX線・中性子散乱による微細構造解析、液化窒素式機器の開発まで、量子・高磁場・放射光・計算科学の最前線研究を結集し、凍結保存の未来を展望します。 |
| プログラム | 13:30 開始 開会あいさつ 13:35 「高分子凍結保護剤の開発と凍結状態センシングへの挑戦」 松村 和明 教授 (北陸先端科学技術大学院大学) 14:05 「高磁場DNP-MAS-NMR法の装置と方法論の開発」 松木 陽 准教授 (大阪大学) 14:35 「ダイヤモンド量子センサーのバイオ応用概観」 安 東秀 准教授 (北陸先端科学技術大学院大学) 15:05-15:20 コーヒーブレーク 15:20 「JAISTスパコンを活用したデータ駆動型材料研究」 本郷 研太 准教授 (北陸先端科学技術大学院大学) 15:50 「X線/中性子散乱による凍結保存における細胞微細構造センシング」 中田 克 氏 (株式会社東レリサーチセンター) 16:20 「液化窒素式凍結保存機器の開発」 吉村 滋弘 氏 (太陽日酸株式会社) 16:50 終了 閉会あいさつ |
| 使用言語 | 日本語 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ前日までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 拠点長 松村 和明 (mkazuaki |
第1回超越バイオメディカルDX研究拠点エクセレントコアセミナーを開催
6月3日(火)、本学イノベーションプラザ2階 シェアードオープンイノベーションルームにおいて、「令和7年度第1回超越バイオメディカルDX研究拠点エクセレントコアセミナー」を開催しました。
本セミナーでは、本学に新たにクロスアポイメント教員として着任したHak Soo CHOI 教授(ハーバード大学医学部 放射線腫瘍学講座 教授)を講師に迎え、「Bioengineering and Nanomedicine Program for Cancer Theranostics」をテーマに講演いただきました。
冒頭では、寺野稔 学長による開会挨拶が行われ、CHOI教授の着任に対する歓迎の意が述べられるとともに、今後の国際共同研究のさらなる発展に向けた期待が示されました。
CHOI教授の講演では、がんの診断と治療を同時に行う「セラノスティックス」の実現に向けた最先端の研究成果が紹介されました。とりわけ、独自に開発された蛍光イメージング技術と、薬剤の物理化学的特性と生体内動態の関係性に基づいた薬物設計戦略により、組織特異的な近赤外蛍光プローブの開発が進められていることが説明されました。これらの技術は、がん組織の可視化、画像誘導手術、光線治療などへの応用が期待されており、ナノ医療および分子イメージング分野における今後の展開に重要な示唆を与える内容となりました。
本セミナーは、CHOI教授と本学物質化学フロンティア研究領域の栗澤元一 教授との長年にわたる共同研究を背景に開催されたものであり、国際的な研究連携の深化とともに、若手研究者や学生との学術的交流の促進を目的としています。当日は、参加者との活発な質疑応答や意見交換も行われ、充実した議論の場となりました。
今後も本学では、超越バイオメディカルDX研究拠点の中核的活動として、世界トップレベルの研究者との交流を通じた学際的かつ国際的な研究の推進と、次世代研究者の育成に積極的に取り組んでまいります。


セミナーの様子
令和7年6月5日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2025/06/05-2.htmlナノ医療・バイオイメージング分野における国際連携を加速 ―ハーバード大教授が北陸先端科学技術大学院大学に本格参画-
ナノ医療・バイオイメージング分野における国際連携を加速
―ハーバード大教授が北陸先端科学技術大学院大学に本格参画-
北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野稔、石川県能美市)は、2025年4月1日付で、ナノ医療・バイオイメージング分野における世界的な研究者であるChoi, Hak Soo(チェ・ハクスー)教授を、先端科学技術研究科のクロスアポイントメント教員として迎え、本学での研究活動を開始しました。
Choi教授は、ハーバード大学医学部 放射線腫瘍学講座の教授であり、マサチューセッツ総合病院 分子イメージング研究センターの主任研究者として最前線の研究を統括するとともに、Dana-Farber/Harvard Cancer Centerにも所属し、がん研究と診断に関する世界的ネットワークの中核的存在として活躍しています。
韓国・全北大学校を卒業後、2004年に本学にて博士号(材料科学)を取得。その後、ハーバード大学にて研究を推進し、ナノメディシン、イメージング、バイオエンジニアリングを融合したがんの高感度診断・治療技術の開発に取り組んできました。これまでに、Nature Biotechnology、Nature Nanotechnology、Nature Medicine、Nature Communications、Advanced Materials、Science Translational Medicine などの国際トップジャーナルに多数の研究成果が掲載されており、米国国立衛生研究所(NIH)や国防総省(DoD)などからの大型研究助成を獲得しています。
今回の着任は、本学物質化学フロンティア研究領域の栗澤元一教授との長年にわたる共同研究を背景に実現したものであり、今後は、本学の「超越バイオメディカルDX研究拠点」との連携を軸に、研究成果の社会実装、若手研究者や学生との国際交流を通じて、グローバルトップの研究基盤の構築・強化に大きく貢献することが期待されています。
【セミナーのご案内】
このたび、Choi教授の本学参画を記念し、以下のとおり「超越バイオメディカルDX研究拠点エクセレントコアセミナー」を開催します。当日は、Choi教授より、これまでの研究成果および今後の取組みについて講演いただきます。つきましては、当日の取材・報道をお願いします。
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講 演 者:CHOI, Hak Soo, Ph.D
北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授 Professor, Department of Radiology, Harvard Medical School Faculty, Cancer Research Institute, Dana-Farber/Harvard Cancer Center Director, Bioengineering and Nanomedicine Program, Mass General Hospital テーマ:「Bioengineering and Nanomedicine Program for Cancer Theranostics」
(バイオ工学とナノメディシンによるがんセラノスティックス*) 日 時:令和7年6月3日(火)10:30~12:00
場 所:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) イノベーションプラザ2F
シェアードオープンイノベーションルーム 申込方法:以下申込先までメールにて事前にお申込みください。
[申込先] 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 教授 栗澤元一 E-mail:kurisawa |
*セラノスティックス...診断と治療を一体化した新しい医療技術
◆クロスアポイントメント制度とは】
研究者等が複数の大学や公的研究機関、民間企業等と雇用契約を結び、それぞれの組織で業務を行うことを可能とする制度です。本制度により、研究者等は所属の枠にとらわれることなく、複数の場で専門性を活かして活躍できるようになります。本制度の導入により、研究機関間の垣根を超えた知の交流や技術の橋渡しが加速されることが期待されており、研究の質やスピードの向上にも大きく貢献すると考えられます。
今回、本学が本制度を通じて、海外の研究機関に所属する研究者を迎えたことは、本学にとって初の取り組みです。今後は、この制度を活用して、国内外の優れた研究者とのネットワークを一層広げ、世界の先端科学技術研究のハブとしての機能強化を目指します。
令和7年5月29日
出典:JAIST プレスリリース https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2025/05/29-1.html令和7年度 第1回 超越バイオメディカルDX研究拠点 エクセレントコアセミナー
セミナーを下記のとおり開催しますので、ご案内します。
| 開催日時 | 令和7年6月3日(火) 10:30~12:00 |
| 場所 | 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)イノベーションプラザ シェアードオープンイノベーションルーム(2F) |
| 講師 | Hak Soo Choi, Ph.D. Professor with a cross appointment at the Department of Radiology, Harvard Medical School, and the Graduate School of Advanced Science and Technology, Japan Advanced Institute of Science and Technology (JAIST) |
| 講演題目 | Bioengineering and Nanomedicine Program for Cancer Theranostics |
| 使用言語 | 英語 |
| 参加申込・ お問合せ |
下記の担当へ前日までにお申し込みください。 (定員30名・参加費無料) 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 教授 栗澤 元一 (kurisawa |
令和6年度 第3回 超越バイオメディカルDX研究拠点 エクセレントコアセミナー
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日 時 | 令和7年3月13日(木) 15:30~16:50 |
| 場 所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演者 | 金沢医科大学医学部解剖学Ⅰ,医学博士 八田 稔久 教授 金沢医科大学総合医学研究所 島崎 猛夫 准教授 |
| 講演題目 | 島崎准教授(15:30~16:10) バイオデジタルツインを目指した生体模倣システムと細胞加工技術 八田教授(16:10~16:50) 生物標本透明化技術の開発とその社会実装に向けた取り組み ※講演要旨は別添フライヤーのとおり |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点長 松村 和明(mkazuaki@jaist.ac.jp) |
令和6年度 第2回 超越バイオメディカルDX研究拠点 エクセレントコアセミナー
下記のとおりセミナーを開催しますので、ご案内します。
| 日 時 | 令和6年9月20日(金) 15:00~16:20 |
| 場 所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演者 | 広島大学大学院先進理工系科学研究科 スマートイノベーションプログラム 計算材料科学研究室 石元 孝佳 教授 兼松 佑典 助教 (研究室HP)https://cms.hiroshima-u.ac.jp/ |
| 講演題目 | 【15:00-15:40(石元教授)】 計算科学を活用した機能解明と材料設計に向けた計算手法の開発と応用 【15:40-16:20(兼松助教)】 BI解析ツールの開発とMI解析への応用 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ9月19日(木)までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点 准教授 本郷 研太(hongo@jaist.ac.jp) |
第9回研究科セミナー(物質化学フロンティア研究領域)「バイオ界面に立脚した高分子バイオマテリアルの創成」
| 日 時 | 令和6年8月28日(水)15:00~16:00 |
| 場 所 | 知識科学講義棟 2階 中講義室 |
| 講演題目 | バイオ界面に立脚した高分子バイオマテリアルの創成 |
| 講演者 | 東京工業大学 生命理工学院 助教 西田 慶 氏 |
| 使用言語 | 日本語 |
| お問合せ先 | 北陸先端科学技術大学院大学 物質化学フロンティア研究領域 准教授 都 英次郎(E-mail:e-miyako |
● 参加申込・予約は不要です。直接会場にお越しください。
出典:JAIST イベント情報https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/event/2024/08/22-1.html第1回 超越バイオメディカルDX研究拠点 エクセレントコアセミナー
セミナーを下記のとおり開催しますので、ご案内します。
| 開催日時 | 令和6年7月29日(月) 15:00~16:10 |
| 場 所 | JAISTイノベーションプラザ 2F シェアードオープンイノベーションルーム |
| 講演者 | 大阪工業大学 工学部 応用化学科 藤井 秀司 教授 |
| 講演題目 | 界面吸着粒子が拓く材料化学 |
| 参加申込 | ・参加費無料 ・要予約(定員30名) 下記の担当へ7月26日(金)までにメールにてお申し込みください。 【本件担当・予約申込先】 北陸先端科学技術大学院大学 超越バイオメディカルDX研究拠点長 松村 和明(mkazuaki@jaist.ac.jp) |


