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物質化学領域の松村和明准教授らの研究成果が英国王立化学会発刊Nanoscale誌のback coverに採択されました。
■掲載誌
英国王立化学会(Royal Society of Chemistry) Nanoscale(インパクトファクター7.76) 2016, 8, 15888-15901
■著者
Sana Ahmed (D3), Satoshi Fujita (福井大学), Kazuaki Matsumura*
■論文タイトル
Enhanced protein internalization and efficient endosomal escape using polyampholyte-modified liposomes and freeze concentration
■論文概要
細胞質に物質を導入する技術は、ドラッグデリバリーシステムの効率化において重要な技術である。一般的には細胞膜を容易に通過出来ないため、様々な手法が検討されてきている。本論文では、細胞懸濁液を凍結することによって起こる凍結濃縮現象を利用し、細胞周囲に、細胞内へ導入したいタンパク質を濃縮させ、取り込み向上を図ったものである。その際、タンパク質のナノキャリアとして両性電解質高分子で修飾されたリポソームを用いることで、取り込み後の細胞質内への効率的移動も確認出来た。この技術により、抗原を細胞質内へ高効率で送達することで免疫細胞を活性化する免疫療法に応用できるだけでなく、遺伝子を核内に導入する遺伝子治療への応用も期待出来る。
本研究は科研費挑戦的萌芽研究(15K12538、 16K1289)および本学のソフトメゾマター研究拠点(代表濱田勉准教授)の成果です。
論文詳細: http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2016/nr/c6nr03940e#!divAbstract

平成28年9月5日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2016/09/05-1.html学生の菅原 恒さんが日本化学会第96春季年会において学生講演賞を受賞
学生の菅原恒さん(博士後期課程2年、生命機能工学領域・高木研究室)が日本化学会第96春季年会において学生講演賞を受賞しました。
日本化学会は、化学領域に関わるあらゆる分野の研究者が所属する国内有数の学会であり、春季年会は同学会が主催する国内でも最大級の年次大会です。「学生講演賞」は上記大会で発表を行った博士後期課程の学生会員を対象として、発表内容、プレゼンテーション、質疑応答などにおいて優れた講演で、講演者の今後の一層の研究活動発展の可能性を有すると期待されるものに対して贈呈されるものです。
■受賞年月日
平成28年4月13日
■論文タイトル
「Decrease of thermo stability of membrane phase-separation induced by addition of local anesthetics.」
■論文概要
神経を介して伝わる痛感を遮断する局所麻酔薬の作用メカニズムには、未解明な部分が多く存在します。これまで局所麻酔薬は、膜チャネルタンパク質に作用すると考えられて来ましたが、近年膜の物性への影響も関与していると考えられるようになりました。我々の研究によって、生体膜を介した情報伝達において重要とされる、「ラフト」といわれる領域のモデル系の熱安定性が、局所麻酔薬の添加によって低下する事が明らかになりました。この結果は、局所麻酔のメカニズム解明に向けた知見を得るだけにとどまらず、生体膜を介した信号伝達に対する更なる理解への足掛かりとなり得る重要なものです。
■受賞にあたって一言
このたび学生講演賞を受賞できましたのは、私の努力のみによるものでは断じてなく、今日まで研究・議論の進め方から発表までを手厚くご指導いただいた高木、下川両先生方によるご助力の賜物です。このご恩に少しでも報いられるよう、より一層の精進に努めてまいります。

平成28年6月6日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2016/06/06-1.html
