サーキットモデル
サーキットモデルとは何か?
- ∞の形をした不思議なモデルがサーキットモデルだ。メビウスの帯のような形をしているが、裏や表は持っていない。レーシングカーが走るサーキットに似ているのでこの名前がついた。
- サーキットモデルは、「店を開く」、「ネットワークの形成」、「成果の発信」、「評価」の4つのフェーズと、「学習のコア」で構成されている、地域づくりやまちづくり、NPO活動などのデザインに使えるモデルだ。モデルの4つのフェーズが、Opening stores, Presentation, Evaluation, Networkとなっていて、頭文字をとるとちょうど「OPEN」という単語になるので、「OPENサーキットモデル」と名付けている。
- このモデルは「オープンソース」の考え方を採用して作られており、このホームページなどからモデルの仕組みを学んで、誰でもこのモデルを自由に使って、また改変して、さらには再配布してもいい、という点が特徴である。
サーキットモデル関連ページ
- サーキットモデルの基本説明
- サーキットモデルの応用事例(いろいろな事例や分野への応用例)
- サーキットモデルの紹介
- サーキットモデルの誕生物語
- 関連文献
- 利用上の注意
- モデルのダウンロード
- 以前の資料もご覧ください
サーキットモデルについての最近のトピックス
沿岸域管理への応用例が紹介されています
([季刊里海]SATOUMI-MAGAZINE(通称「サトマガ」)読者のおたより&編集日誌から引用)
敷田麻実さんの沿岸域管理論の意味が理解できた
また、もう一点は、この取材から、あるテーマが浮かび上がってきたことについてお話ししてみたかったのです。
何年か前に、MANAが取材して記事(「漁協と共済」リレートーク)にした、
MANAインタビュー:北海道大学観光学高等研究センター教授 敷田麻実さん「もっと地域社会に開いていこう―これからの漁村・漁協がむかうかたちとは?―」
北海道大学観光学高等研究センターの教授である敷田麻実さんが語った話の内容についてです。このときの意見交換のときには、気がつかなかった重要なテーマにつながっていることに、整理しながら気づいたことです。敷田さんを取材した時点では、敷田先生が、松尾さんや、松尾さんのお父さんたち地域の人々が行なってきた「琴引浜の環境保全活動」の意義を、沿岸域管理と地域の役割とを「ヨソモノ」概念を取り込みながら
「地域の沿岸域管理を実現するためのモデルに関する研究:京都府網野町琴引浜のケーススタディからの提案(敷田麻実、末永聡)2003年日本沿岸域学会論文集」 を提案していたことに気づいていなかったのです。
それが、MANAが「漁業権開放」のテーマ「里海」と沿岸域における「地域実態」のかかわりを追いながら考えを進めてきた段階で、このサーキットモデルの背景にある敷田先生の沿岸域管理の思想に気づき、敷田先生の言わんとすること、MANAがこれまで主張してきたこととが、〝ぴたっと〟あてはまったのですね。正直いいますと、「もっと地域社会に開いていこう」の記事を書いたときには、敷田先生が「閉じつつ」「開く」ということの、本当の意味には、気がついていなかったことが、今回よくわかりました。
観光への応用例が紹介されています
金澤成保さんが、第16回都市環境デザインフォーラム・関西の「都市観光の新しい形;「観光まちづくり」の展開」という講演の中で、サーキットモデルモデルを評価・紹介してくれています。
(以下http://www.gakugei-pub.jp/judi/forum/forum16/16k003.htmから引用)
「敷田麻美と森重昌之(2006)は、観光地が地域外の観光業者や資本に従属させられやすい従来のマスツーリズム、「他律的観光」に対し、地域主導で創出する持続可能な観光が「自律的観光」として、地域社会の側が自らの意志や判断で観光サービスを提供することが重要であると述べている。そのためには、観光サービスのデザインから提供、享受までに至る観光プロセスの「参加の度合い」という視点で検討する必要がある。観光デザインプロセスへの消極的参加とは、観光業者が企画した観光サービスを、観光客が単純に享受しているだけの状態である。主体的参加とは観光サービスのデザインに対してアイデアを出すだけのレベルから、他の観光客に働きかけるレベル、そして観光客自身が観光サービスのデザインに意識的に関わるレベルまで段階的にあるとしている。
それには「オープンソース」の概念が有用と思われる。それは、ソースコード(ソフトウェアの構成要素)を公開し、誰もが開発に参加できるようにしたソフトウェアの総称であり、全体設計図である「アーキテクチャー」とそれを構成する「モジュール」が必要となる。
観光サービスのデザインプロセスには、「サーキットモデル」が有効と考えられる。「店を開く(openingstores)」「ネットワークの形成(networking)」「成果の発信(presentation)」「イメージの形成(evaluation)」の4つのフェーズと、「学習」のコアで構成される。ここで「店を開く」とは、「よそ者のまなざし」を持つ地域住民や観光客が「知識を開示する」という意味である。
「サーキット」を回転させる推進力として、「成果の発信」から「イメージの形成」に至るプロセスを促進する「インタープリタ(interprete)」が、「店を開く」から「ネットワークの形成」に至るプロセスを担う機能として中間支援「インターミディアリー(intermediary)」が必要と論じている。」
9回東北環境教育ミーティングで
2007年11月23日は、 福島県三島町を中心に、奥会津町村の各フィールドで開催された第9回東北環境教育ミーティングのオープニングセッションで、高木さん(ねおす;北海道)と佐々木さん(くりこま高原自然学校;宮城県)と対談しました。
話の中心は、ねおすを事例にした「サーキットモデル」と地域戦略でした。以下は、担当された町の関係者のコメントです。
『敷田先生のサーキットモデルは非常に参考になりました。
三島町の「ふるさと運動」の停滞が行政主導によるものということは意識していましたが、理由付けについての理論としてあてはまるものが特になかったのですが、先生のサーキットモデルにあてはめたとき、「それだ!」と思ったところです。
全国に先駆けて地域づくりの走りを作れたものの、サーキットを回しても大きくなっていくことはなかったのか、あるいは、サーキットが回らなくなってしまったのか・・・キーパーソンが担当から外れたこと、それを補えるほどの人材がいなかったこと、ネットワークの広がりの薄さ、マネジメント能力、理念の浸透性・・・、理由はたくさん考えられますが、問題はその課題をクリアできなかったことにあると僕は思っています。でも、先生が言われた、「一度大きくなったサーキットは小さくはなりにくい」ということは肌感覚で感じています。30年の歴史の積み重ねは私達エコ・ミュージアムプロジェクトの大きな財産です。』
まちづくり活動への応用
名古屋の地域再生プロジェクト「タウンコム 」という活動では、サーキットモデルを応用して活動が進められています。活動メンバーの一人の渋谷城太郎 さんが、応用されています。