物理特性測定装置・PPMS-TTO
(Quantum Design PPMS-TTO)

新しい電子デバイスに応用される新材料・新物質は、ひとつの性質だけでなく、電気的性質、磁気的性質、熱的性質など、あらゆる側面から評価してやる必要が あります。カンタム・デザイン社の「物理特性測定装置 PPMS( Physical Property Measurement System )」はいろいろなオプションを使用することにより、これらの物性を簡便かつ正確に測定することが出来ます。

物理特性測定装置・PPMS-TTO

【特徴】

本装置 PPMS-TTO は、サーマルトランスポートオプション(Thermal Transport Option)を搭載することにより、半導体や金属など電気伝導体の電子輸送現象を測定することが出来る装置です。主として新規熱電材料の評価に使用されています。測定量は、電気抵抗率ρ、熱伝導率κ、熱電能(ゼーベック係数)S、および、熱電性能指数 ZTです。これらの物性量を5K から340Kまで精度良く測定することが可能です。試料に電極を取り付け装置にセットした後は、温度制御およびデータ取得はコンピューター制御で全て自動で行われます。測定シーケンスはパソコン上で簡単に書くことが出来るため、適切なシーケンスを組むことにより、数十時間におよぶ長い測定もストレス無く行うことが可能です。不純物や格子欠陥によるキャリア散乱過程が支配的な低温領域から、フォノン散乱やバンド間キャリア励起が支配的となる室温以上の温度までの広い温度領域の測定により、通常の測定では得られない、物質本来の電子輸送特性を評価することが可能となります。

【仕様】

測定温度 5 K - 340 K
電気抵抗率ρ 精密DSP電源と phase-sensitive detection による電圧測定から、交流電気抵抗率を算出する
熱伝導率κ 試料の一端に取り付けたヒーター・シューから熱流を発生させ、試料に取り付けた2つの温度計・シューの温度差から熱伝導率を算出する
熱電能S 熱伝導率の場合と同様の測定を行う。2つの温度計・シューの間に
誘起された起電力と温度差から熱電能を算出する
熱電性能指数ZT 上記の測定量から ZT=(S2 T)/(ρκ)により算出する(Tは試料の絶対温度)

【設置場所】

マテリアルサイエンス系4棟1階