研究代表者
内平直志
北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 教授
目的
- 作業的・心理的負担感の少ない行動型サービス向け時空間コミュニケーション技術の開発
- 負担感評価手法およびアシスト空間設計方法論によるシステム改善サイクルの実現
アプローチ
- 音声」と「つぶやき」の融合による行動型サービス向けハンズフリーインタラクション技術
- サービス技術開発(情報科学)、看護・介護現場での試行実験(医療、福祉)、サービス評価(社会科学)の分野融合による行動型サービスの設計方法論
本研究開発では、医療・介護のサービス現場における音声技術によるコミュニケーションの革新を目指します。ツイッター的な準リアルタイム・コミュニケーションを、音声によるハンズフリーで実現することで、看護師さんや介護士さんのコミュニケーションの革新を目指しています。
近年、病院内でも音声インカム(トランシーバー)の導入が一部で広がっています。この方法では、音声メッセージは職場全体で共有され、蓄積もされません。本研究開発では、音声メッセージをサーバーで蓄積し、必要な人へ必要なタイミングで自動配信する技術を実現します。例えば、内視鏡室で看護師が「検査が終わりました」とつぶやけば、音声認識と位置情報およびスケジュール情報から状況を推定し、その情報を必要とする病棟の担当看護師にのみ配信されます(空間コミュニケーション)。また、看護中の気づきを音声メッセージとして残し、そのメッセージを看護記録作成時や引き継ぎ時に利用することもできます(時間コミュニケーション)。
今後の音声認識技術の飛躍的向上を時代の変化点とし、音声つぶやきによる新しいタイプのコミュニケーションは、医療や介護の行動型サービスの効率と質を大幅に改善できる可能性があると考えています。
音声認識エンジン
音声認識に関しては、クラウド上の音声認識サービスPaaS(Platform as a Service)※を利用しています。
最近、音声認識の精度は高く、音声つぶやきシステムの用途においては十分実用レベルです。
※
音声・映像活用クラウドサービス「RECAIUS(TM)」