低音弦系結横木(bass hitchrail) とラック(rack) の上面はキャッピング(capping) と呼ばれる厚めの合板で覆う。こ れは見栄えを良くするばかりでなく、ラック(rack) のスロットの端を覆う働きをする。 キャッピング(capping) 部品はやや大きめに切断されており、最終的に調節して前側に1mmか ら2mmの僅かな出っぱりをつくる。設計図に示したように端を丸めれば、この 出っぱりのお陰でより見栄えが良くなる。角の接合部は斜めにすると見栄えす るが(写真31)、もし望むなら単に水平につなげるだけでもよい。キャッピング(capping) の 端は低音弦系結横木(bass hitchrail) とラック(rack) の端に揃える。
これらのキャッピング(capping) 部品を接着する前に、系結ピン(hitch pin) の位置を印しておく。最 も簡単な方法は、部品の上から両面テープで設計図を正確に固定し、先の尖っ たもので突くやり方である。このとき穴の深さは後でドリルの針が入れ易くな るようやや深めにあける。以上の作業ができたら表面に紙ヤスリをかける。ヤ スリはこの時点でかけておいた方が簡単である。(訳注:穴をあけてからヤス リをかけてもよい。)
注記: キャッピング(capping) をラック(rack) に接着する際も、余分な接着剤がスロットに入り 込まないよう細心の注意を払うこと。
キャッピング(capping) の合板を押さえつける方法としては、側面からは不要な板を置き、 その上からクランプ(第1章参照)で押さえつけて万遍なく圧力かけるのがよい。 キャッピング(capping) 前面はマスキングテープで押さえつければよい。
キャッピング(capping) 接合部を斜めに切断する方法として最もよいのは、一方の部品に 小刀で切断部分の形に切れ目を入れ、ノコギリでその線ぎりぎりに切り落とし た上、切れ目まで小刀で少しづつ削っていく方法である。斜めに整形できたら、 もう一方のキャッピング(capping) 部品に(直角に)重ねて、ケース(casework) 内の最終的に接着す る位置に置き、切断すべき部分に小刀で切れ目を入れる。後は同様に、この線 ぎりぎりにノコギリで切り落とした上、小刀で削る。もし両面テープがなけれ ば、普通のテープを折って両面に接着面ができるようにして代用してもよい。 (訳注:英国では両面テープが日本ほど普及しておらず手に入りにくい。)