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研究概要

遺伝子とセントラルドグマ

分子生物学のセントラルドグマ

分子生物学のセントラルドグマ

セントラルドグマとは「中心的教義」という意味で、生命情報の流れを考えるときの基本概念です。 DNAが二重らせん構造をしている事を発見したことで著名な、Watson & CrickのCrick博士が提唱しました。

右図に示す様に、DNAは二本鎖であるからこそ、片方の鎖を元にその「複製」が可能になり、細胞分裂の時に遺伝情報を娘細胞に伝える事が可能になります。必要に応じてDNAの一方の鎖にある遺伝情報が読み取られ、RNAに「転写」されます。このRNAを設計図にしてタンパク質を合成しますが、この過程を「翻訳」と呼んでいます。タンパク質は生命体を形作るナノ構造物であると同時に、触媒作用や情報伝達といった生命活動に必要な様々な機能を果たすナノマシンです。遺伝子(=DNA)はこれらタンパク質の設計図であるからこそ重要なのです。

スプライシング

スプライシング

真核生物のDNAでは、exonと呼ばれるmRNA情報をコードした配列が、一見無意味なintron配列によって分断されています。RNAは転写によってDNAから生成した後に、不要なintron部分を切り外してmRNAとなるのです。この過程をスプライシングと呼びます。私たちの研究室では、マイクロアレイやRT-PCR、さらに遺伝子導入技術などを利用してRNAスプライシング(右図)の研究を行っています。

一方、先に述べたように、遺伝子は機能分子であるタンパク質の設計図です。従って、遺伝子に変異があるとタンパク質を上手く生成することができなくなることがあり、様々な病気の原因ともなります。では、変異した遺伝子を元に戻すことはできないのでしょうか?私たちはこの課題に挑戦し、新たな遺伝子疾患治療法の開発にも取り組んでいます。