医療サービス企業勤務 サービス経営(MOS)プログラム (博士前期課程) 2018年3月修了予定,博士後期進学予定
研究テーマ「知識集約型サービス組織における個の知の創造モデル」
-----------------------------------------------------------------------------------------------------関信彦さん(以下 関) サービスマネジメント、サービスマーケティングを今一度、きちんと学びたいと考えたからです。 サービスとは何だろう?と。実は30代後半、2001年から別の大学院でマーケティングを勉強した経験があります。 その当時も学んだサービスマーケティングなのですが、十数年を経る中でかなり進化を遂げているんですよね。 新しい概念が出てきている、とすごく新鮮に感じて改めて学びたくなりました。 勤務先では現在、社内情報システム部門の責任者を務めていて。 ITベンダーから見るとサービスを受ける側にいて、社内に対してはサービスを提供する側にもいる。 サービスにまつわるこの関係性を改めて勉強できたら面白いかな、と。
関 「サービス経営」をキーワードに、インターネットも活用しながら学校を探しました。 比較的新しい概念であるサービス・ドミナント・ロジックなどもJAISTで学ぶことができると知り、 こうしたスピード感に触れられることもあって興味を持ちました。 勤務先からも自宅からもアクセスがよい、駅近という地理的条件も整っていました。 ここ社会人コースは本校ではなくサテライト校であるということで、先生や授業は充実しているのか、 図書館利用はどうなのか……など多少の不安が無かったわけではありませんが、 入学して実に良かったと今は考えています。
関 例えば、「個別ゼミ」という特別なプログラムですね。 学生1人に対して専門分野もさまざまな教員3〜4人が同席し、 修士論文の研究について助言してくださるというプログラムで、 通常の授業とはまた違うインプットがあります。 任意で申請するゼミで、活用頻度は学生それぞれです。 私としては、先生方とインタラクティブに話せる機会を提供してもらえるのは魅力的で、貴重な体験のひとつでした。
関 修士論文のテーマを揉むにあたり、自分が考えていることが学問として成立するのか? その検証を「個別ゼミ」でおこないます。1回に与えられる30分のうち、 前半15分で自らの考えを述べて、残りの15分で先生方からの見解をシャワーのように浴びるのですが、 最初のうちは自分の考えを15分でまとめるなど到底難しくて。 今から思えば、どんな研究をしたいのか考えをきちんとかためることもできていませんでしたね。 鋭いご指摘も相当受けました(苦笑)。先生方に相談に乗っていただくことで、 自分が気づかなかった方向性や研究の面白みがどんどんと見えてきました。 考えを広げては収斂させるという作業を何度も繰り返すことで、 ようやく納得のいく研究方針をかためることができました。
関 そうですね。思考を広げて、それを収斂させるという作業を繰り返したとお話ししましたが、 それを独力で続けるのはやっぱり難しい。先生に相談したり、 学生同士でディスカッションしたりで少しずつ前進する…… やはり先生との対話の中でいただくサジェスチョンがいちばん大きかったです。
関 はい、「長期履修制度」というのがあります。 2年での修了が困難な場合は、申請すれば授業料を追加することなく2年まで延長できるというものです。 入学当初、大学院は2年で出るものだろうと当然のように考えていたのですが、 研究の進捗や仕事の忙しさを考えて保険のつもりで、私も1年目の終わりに1年延長を申請しました。 結果的に半年の延長で修了することになりました。仕事が優先となる社会人にとって非常に役立つ制度だと思います。
関 タイムマネジメントとしては必須です。今も続けていますが、朝5時には起きて頭がクリアな状態で勉強しています。 とにかく効率がいいので、JAIST関連の勉強は毎朝の2時間をメインに続けています。 また、仕事の予定の合い間に勉強時間を組み込んだタイムテーブルを1週間単位で作っています。 土日も授業以外の時間は家族サービスをしたいですし。
関 「平日夜間、土曜・日曜集中開講」で単位を取れる形式も、私には学びやすかったです。 学期のはじめにスケジュールが決まるので、この単位を取るためにこの週は残業しなくていいように調整しよう、 などコントロールしやすかったです。毎日連続の講義で集中力が途切れないことにより、 その授業の狙いをしっかりと意識して終えることができます。
関 たくさんインプットされるものがあって、ひとつの事象をいろいろな見方で捉えられるようになった気がします。 カメラで言えば、レンズをたくさん手に入れたような。レンズを変えれば、当然見え方も違う。 見え方が変われば考え方も変わると認識できて。そうした視点は活かされているのではないでしょうか。 また、理論ではこう考えられるけれど実社会では違う、ということがもちろんいろいろとあって、 そのあたりを踏まえるというのは私にとって知的な刺激になっているな、と。 「これは面白い、社会に役立つかもしれない」ということも自分でイメージできるようになりました。 時間は掛かりましたが鍛えられました。
関 修士論文のテーマは、まさにそんな感じです。 入学試験では「こういう研究をしたい」という計画を提示するのですが、 そこに書いた通りの研究をして修了している人はほぼいないと思います。 最初は「サービスを提供する側と受ける側の関係を見つめたい」と大きく考えていたわけですが、 長い検討の末に決めた修士論文のテーマは「個人がどうやってサービスのための知識を獲得するか」。 サービスの領域に捉われない「知の創造」にフォーカスして深掘りすることになったのです。
関 修士課程で学ぶにつれて、研究を継続したい、ものごとの本質をもっと理解したい気持ちが強くなりました。 このテーマを外の博士課程に持っていって研究を継続できるのかは未知数ですし、 一方でここにはすでに理解してくださっている先生がたが大勢いらっしゃるので。 また、単位もある程度持って行ける、入学金不要という学内進学のメリットも無視できません。
関 社会人が大学院で勉強するとき、会社での課題を持って臨んでいるところが多かれ少なかれありますよね。 大学院でも仕事のことを引き続き考えているようなところがあるわけですが、 環境が変わって周りの人も変わると、同じ事象も見え方が違ってくるのがいいなと。 大学院で学ぶようになって、そう思ったんです。 そして、進学を迷っているなら、とにかく思い切って飛び込んでみることだと思います。 入学前に気になる点があれば、JAISTでも相談室を設けていて対応してくれますよ。