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MDAによる解析

MDAは級間分散と級内分散の比を最大にするような線形変換を求める手法であ る. しかし,MDAを行うには級内変動行列が正定値対称行列でなければならない. これはMDAを適用するベクトルの次元数をLとすると, tex2html_wrap_inline2575 を満た すことと同等である. ただし,|F|はFの要素数を表す. そこでLを小さくするために,本研究ではPCAを行い次元圧縮された特徴ベク トルに対してMDAを行う.

tex2html_wrap_inline2451 のPCA後のL次元特徴ベクトルを tex2html_wrap_inline2587 とする. なお,本研究ではL=M-|F|に設定した. ここでMDAによってI次元( tex2html_wrap_inline2593 )に次元圧縮される特徴ベクトルの i番目の要素は,以下のようにL次元係数ベクトル tex2html_wrap_inline2599 tex2html_wrap_inline2601 tex2html_wrap_inline2603tex2html_wrap_inline2587 との線形結 合で表される.

  eqnarray222

ここで tex2html_wrap_inline2611tex2html_wrap_inline2613tex2html_wrap_inline2615 の級間分散と級内分散とする. そして,

  eqnarray232

を最大かつ tex2html_wrap_inline2615 の各i成分が互いに無相関となるように tex2html_wrap_inline2621 を 選ぶ. そして,式(gif)により得られるI次元ベクトル tex2html_wrap_inline2519 を用い解析を行う.

tex2html_wrap_inline2621 は次式の一般固有値問題を解くことにより求まる[10].

  eqnarray244

ただし,

   eqnarray249

とする. このBは級間変動行列,Wは級内変動行列を表す. ここで式(gif)の左から tex2html_wrap_inline2661 を掛け,式 (gif)を使うと, tex2html_wrap_inline2663 は式(gif)の tex2html_wrap_inline2665 と一致 する. この tex2html_wrap_inline2665 をクラス集合Fの特徴の分離度(以後,これを分離度2と呼ぶ) とみなすと, tex2html_wrap_inline2665 が大きいほど対応する tex2html_wrap_inline2621Fの特徴を良く表 す固有ベクトルと考えられる.



Takayuki Kurozumi
Sat Mar 27 06:27:54 JST 1999