データベースの全ての顔画像をtraining dataとしてEMCを適用し,
求められた固有ベクトルのうちk次の固有ベクトルの方向に,変換出力 の
標準偏差
の定数倍だけ平均顔パターンから変化させたときの顔画像
を図
に示す.
k=1の成分は髪の毛の量,
k=2, 3の成分は眉毛と目の特徴
を表している傾向がある.
また,
k=348の成分はHappiness,
k=349の成分はSurprise
を表している傾向がある.
このように低次の成分は個人性を表しており,高次の成分は他の要因による成
分を表している傾向がある.
同じく全ての顔画像をtraining dataとしてMDAを適用し,
求められた固有ベクトルのうちi次の固有ベクトルの方向に,変換出力 の
標準偏差
の定数倍だけ平均顔パターンから変化させたときの顔画像
を図
に示す.
このように,MDAの固有ベクトルの表す顔画像の特徴が明確に現れなかった.
この原因として,
固有ベクトル
の決定に級間分散と級内分散の比の最大化を評価基準とす
るため,
ある画素の全分散が小さくても級間分散と級内分散の比が大きければ,
のその画素に対する重みが大きくなることが考えられる.
これらの結果から,MDAよりもEMCの方が個人性の合成に有効であると言える.