全体講演

島田 裕   東京理科大学 工学部・助教              8/30 13:00~14:00
講演題目:複雑ネットワークのためのグラフ間距離
講演要旨:ネットワーク間の距離を測ることは応用上重要であると考えられる。ネットワークの近さを測る手法には、編集距離など、すでに様々な手法が提案されている。本公演では、著者らの提案するラプラス行列に基づくグラフ間距離について紹介する。

宮内 敦史  理化学研究所 革新知能統合研究センター・特別研究員  8/30 14:15~15:15
講演題目:ネットワーク科学における数理最適化:モデル化とアルゴリズム設計
講演要旨:近年,ネットワーク科学において,数理最適化が盛んに利用されている.数理最適化のアプローチは,大まかには,「モデル化」と「アルゴリズム設計」という二つのステップに分けられる.「モデル化」とは,実社会の課題を最適化問題として定式化する段階を指し,「アルゴリズム設計」とは,モデル化によって導出された最適化問題に対する解法を設計する段階を指す.本発表では,数理最適化の基本事項を概観し,発表者の最近の研究成果を紹介しながら,ネットワーク科学における利用方法について解説する.

鬼頭 朋見  筑波大学 システム情報系・助教            8/31 13:00~14:00
講演題目:サプライネットワークの非均質性と企業のポートフォリオ戦略
講演要旨:サプライネットワークについては、マクロ経済学的・経済物理学的な研究が進んでいる一方、個々の企業レベルの示唆を生むようなオペレーションズマネジメント分野での研究は未だ少ない。本講演では、サプライネットワークの非均質な組成を解析し、限られた資源制約の下で生産活動を行なう企業のポートフォリオ戦略およびその分布との関係性について議論する。本議論を通じて、企業ネットワーク研究において分野間に存在する溝を明らかにし、今後の領域融合の方向性についても考えたい。

阪本 拓人  東京大学 大学院総合文化研究科・准教授        8/31 14:15~15:15
講演題目:地球社会のためのネットワーク科学:試論
講演要旨:講演者は国際関係論が専門で、途上地域(特にアフリカ)における開発や平和構築に関わる問題に関心を持っている。この講演では、こうした関心から見て有益・有用と思われるネットワーク科学の応用上の「ニッチ」を、関連研究の紹介も交えつつ、広く議論したいと思う.具体的には、環境保護や貧困削減など様々な地球規模課題の解決の鍵と言われる「グローバル・ガバナンス」と呼ばれる統治ネットワークを、中心的な事例に据える予定である。

大槻 久   総合研究大学院大学 先導科学研究科・講師       9/1    13:00~14:00
講演題目:ネットワーク上の進化ゲーム理論の展開
講演要旨:進化ゲーム理論は生物個体間の多彩な相互作用を記述する枠組みであり、90年代にネットワーク科学と結びつき隆盛した。ここでの一般的疑問は、空間構造が戦略の有利不利をどう変えるか、という点にある。コンピュータシミュレーションが中心だった90年代に比べ、2000年代に入ると解析的な結果が得られるようになり、ゲーム、そして進化における空間構造の役割について飛躍的に理解が進んだ。本講演では私の過去の理論研究を中心に、最新の知見と様々な数理的手法について概説したい。

東樹 宏和  京都大学 生態学研究センター・准教授         9/1    14:15~15:15
講演題目:ネットワークで生物種間の関係を探る
講演要旨:無数の生物種が関わり合う生態系は、科学の対象としても最も複雑な系のひとつである。本講演では、生物種間の関係性を探る上で、ネットワーク科学が以下に俯瞰的な知見を与えるか、議論する。ネットワーク全体の構造やネットワーク内のハブ生物種に関する研究事例を軸に、学際研究の可能性について考えたい。


チュートリアル講演

川本 達郎  産業技術総合研究所 人工知能研究センター・研究員   8/31 10:00~10:50
講演題目:統計推論によるコミュニティ検出
講演要旨:コミュニティ検出(一般のグラフクラスタリングを含む)は、ネットワーク科学として研究されているものは一部に過ぎず、社会科学、機械学習、理論計算幾科学、情報統計力学など、多くの分野にまたがっていますが、それぞれの分野で何が研究されているかを概観するためには、統計推論の枠組みによるコミュニティ検出を理解する必要があります。本講演では、stochastic block modelを用いた推論手法の基礎を解説するとともに、通常推論問題として定式化されない手法とのつながり、各分野での大まかな研究対象について触れたいと思います。

渡邊 隼史  情報・システム研究機構 DS共同利用基盤施設・特任助教   8/31 11:00~11:50
講演題目:具体例から考える”整っていない”大規模データの解析
     -誤った解析を減らし,少しでも明瞭な結果を得るために-
講演要旨:近年,情報技術の発展に伴い蓄積された大規模データの現象理解や社会問題解決への活用が期待されている.そのような多くの(社会)大規模データは,はずれ値を含んだり,サンプル方法やデータ生成メカニズムが不明確など“整ったデータ”ではないことが多い.しかし,一般的なデータ解析手法は,データが“整っている”ことを前提としている場合が多く,その解析法を単純にあてはめるだけでは,うまく知見を得られない場合も少なくない.そこで,本発表では,そのような“整っていない(汚い)”データを解析するための発表者らが具体的な事例を通して得てきたノウハウや手法を共有したい. 発表では,出来る限り,実装可能な計算ソフトウェアやより詳しい情報をえられるような参考文献を紹介しつつ進める.

鈴木 健大  国立環境研究所 生物系環境研究センター・特別研究員  9/1    11:00~11:50
講演題目:生物間相互作用網の推定手法について
講演要旨:動植物の共生細菌叢はメタゲノム・メタボローム解析などを通じ、網羅的・経時的なデータ取得が可能であること、操作実験などのアプローチが容易なことから、複雑な生物間相互作用網とその動力学の研究にとって実り豊かなフロンティアとなることが期待される。本講演では、上記のようなオミックス解析で得られる時系列データから生物間相互作用推定を行うための手法について、近年生態学の文脈で再注目されている非線形時系列解析の紹介も交えつつ解説したい。


学生トークセッション

庄司 一貴  首都大学東京 システムデザイン研究科    9/1    15:30~15:50

賀沢 唯   筑波大学大学院 システム情報工学研究科   9/1    15:50~16:10

藤木 結香  北海道大学大学院 工学院          9/1    16:10~16:30

        10分休憩

黒木 祐子 東京工業大学 工学院経営工学系       9/1    16:40~17:00

三好 星慧  静岡大学 工学部              9/1    17:00~17:20

ポスターセッション

ポスター講演者一覧
ポスター講演を行う方は一覧からご自身の講演番号と講演日の確認をお願いいたします。

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