研究内容
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ポリプロピレンならびにポリエチレンを中心としたポリオレフィン材料は、幅広い分野で使用されて
おり、その生産量は国内だけでも年間650万トン、世界で年間7000万トンを越えています。
炭素と水素だけから成り、有害な元素を含まないポリオレフィンは、ダイオキシンや環境ホルモン
などの環境汚染の原因となるポリ塩化ビニルなどの代替品としてもその需要が高まっています。
ポリオレフィンを合成する遷移金属触媒として最も広く使用されているのがZiegler触媒です。
しかし、触媒の重合メカニズムの解明とポリマーの一次構造の制御はいまだに達成されていません。
本研究室では、様々なオレフィン重合触媒について学術的見地から研究を行ない、
またこの成果を基にして次世代型高機能ポリオレフィン系材料の創成を目指しています。
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オレフィン重合における重合初期の反応機構の解明
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オレフィン重合において決定的な重要性を持つにもかかわらず、十分解明されていない
初期段階反応機構についてStopped Flow法を用いた速度論的なアプローチや生成ポリマーの
ミクロ構造の解析を中心として検討を加えています。特に10ミリ秒以下で起こる触媒の活性点
形成反応の機構を解明するために、サブミリ秒オーダーの時間分解能を有するTemporal Analysis
of Products装置を開発し、反応解析を行なっています。 |
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触媒の表面観察と新しい機能を有する触媒の開発
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不均一系オレフィン重合触媒の表面組成について、モルフォロジーの観察や各種分光法による
表面構造の特定を行なうことにより、重合活性点についての直接的な知見の獲得をめざしています。
さらに、従来の工業用触媒と全く異なるコンセプトによる触媒の開発を進めています。 |
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計算科学に基づく不均一系オレフィン重合触媒反応の解明
〜 分子レベルで設計された新規触媒の提案へ 〜 |
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近年の計算手法やコンピュータの発展により、複雑な不均一系触媒やその上で起こる触媒反応を、
計算科学により第一原理的に予測することが可能になってきています。当研究室では、実験と計算の
両者を常にフィードバックしながら研究を進めることで、不均一系オレフィン触媒反応に関する
分子レベルイメージを構築すると共に、新しい触媒反応の精密設計を目指しています。 |
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ポリオレフィン系ナノコンポジット材料の開発
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ポリオレフィン材料の特性領域の拡張を目指し、ナノ微粒子をポリオレフィン中に分散させた
ナノコンポジット材料について研究しています。ナノコンポジット材料の設計指針を得るために
材料物性についての基礎研究を行ない、その知見をもとにナノ粒子表面の機能化による高機能
ポリオレフィン系ナノコンポジット材料の開発を行なっています。 |
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ポリオレフィンの安定化と劣化機構の解明
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ポリプロピレンは劣化の影響を受けやすく、長期使用やリサイクル、リユースの観点から、
より安定性の高いポリプロピレンが望まれています。そこで本研究室では、ポリマー劣化開始機構の
解明や一次構造制御による高安定化などを中心として研究を行なっています。 |
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