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SCAIグラフ (SCAI Graph)

SCAIグラフは,提案価値を起点にしてIoT/AIシステムの基本的な構成を考えるためのデザインフレームワークである.

ビジネスモデル・キャンバスで抽出された「提案価値(VP)」に対して, IoTを活用してセンサデータから提案価値をどのように生み出すのかを,SCAIグラフを用いて整理する。 SCAIグラフは,4つの階層から構成され,各階層の「Sensing」「Connection」「Analytics & Intelligent processing」の 頭文字をとってSCAIグラフと呼んでいる。この,「Sensing」「Connection」「Analytics & Intelligent processing」の実装は, 近年,様々なIoTやAIのプラットフォームが提供されており,それらを利用することで容易に構築可能になってきている。

SCAIグラフでは,データを活用して提案価値を生み出す分析・知的処理を4つのパターン (可視化,検索による特定,モデルによる推定・予測,最適化)に分ける。 ここで,ビッグデータや人工知能のブームの中で,IoT活用で集まる膨大なデータ用いた 統計分析手法あるいは機械学習によるモデル構築を行い,推定・予測を行うことで得られる 「分析価値」に注目しがちである。しかし,IoTで網羅的に個体を把握することで, 高度な分析を行わなくても生み出すことができる「特定価値」も有益なことが多い。 遠隔保守サービスの例で説明すると,過去の機器の故障を含むセンサデータの分析から, 故障予測を行うのが「分析価値」であり,機器の位置情報から盗難を検知するのが「特定価値」である。 SCAIグラフを描きながら分析・知的処理を4つのパターンに注目することで, IoTを活用した情報システムの基本アーキテクチャを可視化し,新しい提案価値に気づくことができる。

参考資料