Nonaka'90(Y.Hayashi)

求められる組織の機能(命題)

  1. 組織的知識創造の源泉は個人 にあり, 個人的知識創造は組織成員の意図と, 個人の組織へのコミットメントを助長する自律性で促進される.
  2. カオスの創造は, 組織成員に対する, 新たな前提の可能性を追求す る本質学習への誘惑と, 情報/知識創造の可能性を生み出す.
  3. 集団という場の設定は, 創造的対話を通じて, 成員間の暗黙知の 共有を促進し, 集団レベルの概念創造の契機となる.
  4. 集団レベルの概念創造を通じて, 個人知が組織的知識創造に向かって 増幅される.
  5. 組織的知識創造の不可逆性, 活性化, 組織の信頼と自己制御は, 成員間の 情報共有による情報冗長性に依存する.
  6. 組織的知識創造の効率は, 最小有効多様性(成員の認知能力に過剰な 付加を与えない最小有効な成員間の暗連結)に依存する.
  7. 組織的知識は, 組織に先行的に共有されちる価値観によって 正当化される.
  8. 知識体系はラジカル であり, 体系全体の整合性を維持する為に, 組織はゆるやかなネットワークを形成する. 体系のあり方は, 戦略的問題 であり, それにより資源配分が展開される.
  9. 組織における形式知と暗黙知は, スパイラルアップ的な相互循環 補完関係を持つ.
  10. 組織的知識の真理性(社会正義)は, 組織の指導者ならびに成員の志し の高さに依存する.

林 幸雄 (yhayashi@jaist.ac.jp)
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