弦をダンプする伝統的な方法は、設計図にあるように幅の狭いリボンを対になっ た弦の間に編み込んでいく方法である。(マニュアルの背後表紙の写真も参照 のこと。)低音部から作業を始め、まずリボンの端を10番目と11番目の弦の間 に入れ、先を手前に向ける。設計図に示してあるように針金でフックをつくり、 リボンを9番目と10番目の弦の間にフックで押し込む。系結ピン(hitch pin) 用の針金が 150mmほど残っているはずである。この先の方15mmを90度に曲げてフックをつ くる。(もし残っていなかったら、1.6mm径の園芸用針金がよいだろう。) 8番 目と9番目の弦の間からフックを入れ、リボンを引っかけて引き出す。次の間 隔にリボンを押し込み、またそれをその隣の間隔から引き出すということを繰 り返す。
リボンを左(低音弦系結横木(bass hitchrail) の方)に編み込み、低音弦をきつく巻いて引き出 し、後ろの方へまた編み込んでいく。リボンを巻き始めた位置で引き返し、ま た前へ進み、低音弦をきつく巻いて戻る。リボンをきつく巻くのはこの辺りだ けである。ほかの部分もきつく巻いてしまうと弦全体が振動し、耳障りな音が 出るようになるので注意する。これ以降は、編み込む方向を変える度に多少の 余裕を残すこと。タンジェント(tangent) 近くにリボンを編み込まないよう注意する。写真 を参考にするとよいだろう。途中でリボンがなくなり、別のリボンで新たに編 み始めなければならなくなるが、見た目には変化がないように編み込むことが できる。もっとも簡単な方法は、前のリボンを終端が下に隠れるように弦の間 隔に差し込んで終わらせ、新しいリボンを同じ場所に差し込んで巻き始めるや り方である。最後に設計図にあるようにラック(rack) の高音部側の端にリスティング(listing) ピ ンでリボンを止める。
注記: もしリスティング(listing) を施した後に弦が切れたら(弦が切れるのは避けら れない)、新しい弦の調律ピン側の先を折って切れた弦の系結ピン(hitch pin) 側のルー プに結び付ける。その後、切れた弦を右方向に引き抜けば、新しい弦が自動的 にリスティング(listing) の編み込みの中に収まる。