事業概要OUTLINE
本学は、文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」に採択され、平成24年10月から、金沢工業大学と連携して、自らの基軸をしっかりと形成した上で従来の学問分野の縦割りを超えて総合的に思考ができる知的に開かれた「高信頼スマート組込みシステム技術者」を育成する学士課程、修士(博士前期)課程、そして6年一貫の教育システムを構築することを目指す取組「実践力と創造力を持つ高信頼スマート組込みシステム技術者の育成」を開始しました。なお、事業期間は5年間(平成24~28年度)の予定です。
金沢工業大学は「自ら考え行動する技術者の育成」を教育目標として掲げ、実践力に富む人材を輩出する教育システムを整備し、数多くの人材を社会に輩出してきました。また、本学は、新しい大学院教育システムの開発に先導的な役割を果たし、問題定義能力と問題解決能力に富み、技術イノベーションを創造できる人材を育成し社会に輩出してきました。本取組は、この両校が連携して、「高信頼スマート組込みシステム」に関する教育システムを構築するものです。
本取組では、本学は高信頼スマート組込みシステムに関する高度専門技術者を目指して本学に入学する博士前期課程学生に対する専門教育はもちろんのこと、金沢工業大学が学部(学士課程)学生に対して実施する「組込みシステム」教育カリキュラムへの人的協力、学士及び修士としての達成度を明確にし、かつ社会人が使用しても有益性が高い教材の新規開発を行います。
本学は、平成20年度から情報科学研究科に「高信頼組込みシステムコース」を設置し、ソフトウェア開発技術、情報システム技術、品質保証技術を柱とする科目群を中心にしたカリキュラムを実施してきました。さらにソフトウェア工学の最先端の知識を活用し、アーキテクチャ設計、品質保証技術に重点をおいたPBLを実施しており、その対象分野は、ソフトウェア開発提供型業種、家電機器開発型業種、情報機器開発型業種、OA機器開発型業種、産業機械開発型業種と多岐に亘っています。
本取組では、これらの成果を核にしながら、新たに無線通信技術やネットワーク技術の最先端の知識を活用して、統合システムの開発技術、機能安全やセキュリティの保証技術に重点をおいたPBLを開発し実施します。対象分野はスマートハウス、自動車、携帯電話、農業クラウド、集団ロボット制御など、近年、その国際競争力が激化しているスマートコミュニティの分野であり、これらの教育を通じて、高信頼スマート組込みシステム分野における高度専門技術者として社会や産業界のリーダーとなる人材を育成します。