Last update: April. 18, 2000


用語の説明


PZT(PbZr1-xTixO3)

チタン酸ジルコン酸鉛

PZTとは、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ酸化物強誘電体であります。残留分極が大きいので、キャパシタ型の強誘電体メモリ材料として、もっとも注目されています。

BIT(Bi4Ti3O12)

チタン酸ビスマス

ビスマス層状ペロブスカイト構造をとる強誘電体。残留分極、抗電界に結晶異方性を持ち、残留分極、抗電界ともc軸方向が小さく、{117}軸方向が大きい。

FET型強誘電体メモリを作製する場合、通常は、Siと強誘電体材料との反応を防ぐためにバッファ層を挿入し、キャパシタの直列構造となる。そのため、強誘電体材料の小さい残留分極は、バッファ層に過大な電荷を蓄えさせること無く、また小さい抗電界は、強誘電体薄膜自身に十分な電界を印加することが可能になる。これらのことから、一般的にFET型強誘電体メモリには、残留分極および抗電界の小さい材料が適していると言われており、BITはその中でも有望な材料と言われている。

YSZ((Y2O3)1-x(ZrO2) x)

イットリア安定化ジルコニア

 

YSZとは、室温で不安定なジルコニア(図(a))にイットリア(図(b))を1143mol%添加することにより、室温においても安定的に立方晶螢石構造(図(c))にしたものである。

その格子定数は、イットリア添加量により変化しますが、本研究では5.14Åのものを用いている。

高誘電率材料であり、ゲート絶縁膜の材料として注目されている。

Ir

イリジウム

面心立方の結晶構造をとる金属。硬く、耐食性、耐熱性に優れ、電気接点、放電電極、熱電対材料、外科用金属材料として用いられる。

格子定数が3.84Åであり、PZTBITと格子ミスフィットが小さいため、本研究で用いている。

ZrN

窒化ジルコニウム

NaCl構造のZrの窒化物で、電気伝導率が良い(13μΩcm)。化学的にも安定で、機械的強度も強く、金属類の保護膜としても使用されるが、半導体材料としてはバリアメタルとして用いられている。

100Si基板上にエピタキシャル成長することから、本研究で用いている。

IrO2

酸化イリジウム

Ir金属の酸化物で導電性(49μΩcm)を持つ。PZT薄膜などの疲労劣化を防ぐ電極材料として注目されている。


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