クラス特徴に基づく固有空間法による顔画像の個人性と表情の解析
本研究室では,人間のコミュニケーションにおいて重要な情報である顔の個
人性や表情を解析することに取り組んでいます.
顔画像から個人性や表情を解析する従来手法として顔画像の各輝度値を要素
とするベクトル空間に主成分分析
(Principal Components Analysis;PCA)
を適用する手法(固有空間法)があります.
PCAは,
抽出した特徴ベクトル
(ex. 顔画像の輝度値,顔形状,オプティカルフロー,etc)
の集合から,
射影成分の分散が大きい射影軸をあらかじめ求めておき,
特徴ベクトルをその射影軸への射影成分(主成分)で表す手法です.
しかし,PCAにより求まった主成分は個人性や表情,照明等の様々な影響が混
合した成分となります(図1).
従って,PCAにより個人性を解析する場合,表情,照明等のばらつきによって
解析結果が大きく影響されるという問題があります.
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第1成分 |
第2成分 |
第3成分 |
主成分分析 |
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図1:PCA(従来法)における各成分の表す顔画像
このような影響を軽減する手法として,従来のPCAに基づく固有空間法を変形
して得た,クラス特徴に基づく固有空間法(Eigenspace Method based on Class
features:EMC)を提案します.
EMCでは,まずクラス(個人クラスまたは表情クラス)の特徴の抽出量を測
るために分離度を定義します.
分離度は,級間分散(クラス間分散)と級内分散(クラス内分散)の差として定義
します.
そして,
抽出した特徴ベクトルの集合から,
分離度が大きい射影軸をあらかじめ求めておき,
特徴ベクトルをその射影軸への射影成分で表します.
EMCは,顔画像から個人性と表情を分離して特徴を抽出することができます.
しかも,その抽出された成分は,視覚的にクラスの特徴を良く表した成分でも
あります(図2).
本手法は,顔画像符合化器やCGにおける感性豊かな顔の合成,表情認識シス
テムに応用できると考えています.
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第1成分 |
第2成分 |
第3成分 |
個人性解析 |
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表情解析 |
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図2:EMC(提案手法)における各成分の表す顔画像
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