従来の文系・理系の縦割りの学問体系では対処しきれない課題が20世紀末から増加してきています。
例えば、地球環境では温暖化問題に象徴されるように技術的側面の課題のみならず、省エネ政策を進める上での社会および産業的側面、日常生活のあり方の変革に関わる文化的側面等、対処すべき課題は多岐に亘ります。これらの課題に取り組むためには理工学の諸分野のみならず、政治経済、社会、法学等、人文・社会科学も不可欠です。さらにこれらの文理の学問間における有機的連携も必要です。こうした傾向は今世紀において一層強まることが予測されます。
統合科学技術コースは、こうした課題に対処しうる俯瞰的な観点と問題解決能力を備えた分野横断型人材を育成します。
統合科学技術コースは本学の知識科学研究科、情報科学研究科及びマテリアルサイエンス研究科の3研究科にまたがる分野横断型教育コースとして設置されました。ここでは異なる研究分野の学生同士がまず、お互いの研究内容と問題意識を理解しあうことから始まります。それはとても困難なステップですが、全ての学生が意欲的に取り組んでいます。こうした分野間の混淆によって、知識創造を実現している点が本コースの特色です。
*平成19年度、本学金沢サテライトキャンパス(株式会社石川県IT総合人材育成センター内)において社会人を対象に実施した統合科学技術コースは、知識科学研究科とマテリアルサイエンス研究科の2研究科による分野横断型の教育プログラムのみとなっています。なお、修了要件を満たすためには本学におけるいくつかの講義と論文指導を受ける必要があります。
1.設置する課程
統合科学技術コースは、本学が有する3研究科(知識科学研究科、情報科学研究科及びマテリアルサイエンス研究科)の博士前期課程及び博士後期課程に設置します。
2.授業開講場所
本学(能美市旭台1-1)及び本学金沢サテライトキャンパス(株式会社石川県IT総合人材育成センター内【金沢市鞍月2-1】)において授業又は研究指導を受けることとなります。
3.受講対象者
博士前期課程又は博士後期課程の入学資格を満たす者。
4.修業年限
博士前期課程にあっては2年、博士後期課程にあっては3年となっています。
なお、優秀な学生にあっては、上記修業年限を短縮して修了することも可能です。
また、入学後も職務等の都合により大学での学習が制限され、上記修業年限での修了が困難な学生のために長期履修学生制度があります。
5.修了要件
○博士前期課程
【知識科学研究科、情報科学研究科の修了要件】
1.修士論文を選択した場合
修了するためには、(1)〜(3)の要件を全て満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし10科目20単位以上(うち、専門科目8科目16単位以上)修得すること。
(2)論文指導(特論A、研修A)に係る単位10単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で修士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
2.課題研究を選択した場合
修了するためには、(1)〜(3)の要件を全て満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし13科目26単位以上(うち、専門科目11科目22単位以上)修得すること。
(2)論文指導(特論A、研修A)に係る単位4単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で課題研究を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
【マテリアルサイエンス研究科の修了要件】
1.有職者以外
修了するためには、(1)〜(3)の要件を全て満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし11科目22単位以上修得すること。
(2)論文指導(特論A、研修A)に係る単位10単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で修士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
2.有職者で、主に金沢サテライトキャンパスで履修する者
修了するためには、(1)〜(3)の要件をすべて満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし10科目20単位以上(うち、専門科目8科目16単位以上)修得すること。
(2)論文指導(特論A、研修A)に係る単位10単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で修士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
○博士後期課程
【知識科学研究科、情報科学研究科の修了要件】
修了するためには、(1)〜(3)の要件をすべて満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし、専門科目5科目10単位以上修得すること。
(2)論文指導(特論B、研修B)に係る単位10単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で博士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
【マテリアルサイエンス研究科の修了要件】
修了するためには、(1)〜(3)の要件をすべて満たすことが必要です。
(1)授業に係る単位を以下の要件を満たし、専門科目7科目14単位以上修得すること。
(2)論文指導(特論B、研修B)に係る単位10単位を修得すること。
(3)必要な研究指導を受けた上で博士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格すること。
6.修了証書
所定の単位を修得した者に対しては、所定の学位を授与するとともに、統合科学技術コース修了証を交付します。(科目等履修生の場合にあっては、統合科学技術コース修了証を交付しません。)
本学金沢サテライトキャンパスでの講義風景 |
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E-mail : nyugaku@jaist.ac.jp