今日のメディアは, こうした相互関係に基づいた情報システムとして出来ていない. あくまで情報の供給者(一部のプロ)と需要者(消費者)が分かれているという前提で 作られている. ところが, 人々が求めているのは, 自分の意思を表現し, 他人に伝えるためのメディア であり, それを活用するための情報システムやノウハウなのである.
パソコン通信は通信回線を通し, 時間, 空間の限界を越えて, 出会いとふれあいを作り出してくれる ところに魅力がある. これはコミュニケーションの原点である. それが通信システムの利用によって拡大してくる. 当然, 出会いとふれあいをサポートするのは, 相手への理解であり, 自己の意思の 表出である.
人と人のふれあいからビジネスが発信する
状況がきわめて明確になりつつあり,
(資本主義文化を作った「
コーヒーハウス」のように)
ふれあいを作り, サポートするシステムが改めてクローズアップされている.
そして, パソコン通信やデータベースのようなデジタルコミュニケーションツールが,
人間の手によって,
「肌ざわり」のあるメディアに甦ろうとしている.
[平林87]
林 幸雄
(yhayashi@jaist.ac.jp)