Drag'93(Y.Hayashi)

生産性革命

産業革命と呼ばれる世界規模の社会と文明の転換の本質は, 下記の表のような知識に対する考え方の変化による.
革命前(一般教養と専門技能) 革命後(専門知識)
私的なもの 公的なもの
存在するもの 適用するもの
テクネ(秘伝的技能) 技術, 方法論(techne: 秘技 + logy: 体系)
師弟制度(経験のみで取得) 教科書(教え学べるもの)
挿話 情報
個人的経験 一般的体系
当時は途方もなく異端的な考え(分析による方法で仕事をすれば, 熟練労働者と同等以上の賃金を得るに値する)に基づく F.W.Taylorの仕事の研究以後, 年率3.5-4%(18年で倍増)という前例のない生産性の伸びを実現した. この生産性はプロレタリアの分け前(生活の質の向上)となって, 資本家との対立を避けることが出来た結果, マルクス主義を失敗に導いた.

しかし, 製造業, 農業, 鉱業, 輸送業における肉体労働者の生産性の向上は, もはやそれだけでは富みを創造することができず, 知識の知識への適用 が不可欠となる.


補足: かつての知識の意味と機能

知識の意味しないものは全て共通で, 「行為能力」であった.
林 幸雄 (yhayashi@jaist.ac.jp)
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