21世紀は情報ネットワークの時代として,工業化社会における階層的組織よりも,むしろ農業の時代の労働形態に似つつある.世界規模の情報通信インフラを活用することで,マスコラボレーションによる開発・生産が既に現実化し,製造業を含む多くの産業における協業プロセスに影響を与え,とりわけソフトウェア開発においてはオープンソースが必要不可欠となっている.そこで,沖縄の伝統的労働交換の仕組み「ユイマール」や,代表的なWebブラウザ「Firefox」の事例を通じて,有能な人材が参加するようにコミュニティをどう維持運営していくのか?,特にネットワーク分析のアプリケーション開発や自律的な並行分散イノベーションの観点から議論したい.