3月のNHC国際会議も無事に終わり、ホッと一息ついた頃、 JAISTの上原さんから、メールが届きました。
先日の京都でのNHCはとても盛況で、楽しかったですね。... ふと、今度の夏の LA で配布する会誌で、 今回のNHCについての特集号を組んだら良いのではなかろうか ということを思いつきました。
確かに面白そう。私も読んでみたいな。
ああいった大規模な会議を滞りなく行うノウハウなどを、 裏話を含めて赤裸々に書いていただけると...
ふと、私も気付きました。「あれ、私も書くの?」 アレで思わず笑ったよーとか、アレで期せずして笑いをとったよーとか、 そんなことばかり思い出します。 ノウハウはあまりありませんが、2003年12月に京都で開催された ISAAC でも 組織委員の一員でしたので、その時の状況と合わせて、 ローカルアレンジの内幕を簡単にまとめたいと思います。
参加者の皆さんへの窓口になるのはウェブですので、 まずはウェブサイトを立ち上げましょう。 スケジュールも決まり、講演タイトルも五月雨式にメールで送られてくるので、 それに合わせてプログラムも適宜更新です。 私が作ると文字ばっかりのサイトになるんだよなーと思いつつ、 文字ばっかり書いていきます[1]。 会場の京都ロイヤルホテルのウェブサイトへもリンクを張っていたのですが、 突然そのサイトが消滅し、しばらくしてから別の URL で 日本語版だけが立ち上がりました。 「ホテルのリンクが切れてるよー」というメールをいただいたりして、 「英語版まだかいな」と身悶えたりもしました。
11月になると online registration の季節です。 ISAAC の時には、J○B の「うちでやります」との熱意におされ、 参加者手書きの参加申込の FAX での受付と集計を J○B に お願いすることにしました。 手書きのスペルが乱雑なのも一因なのですが、 名前や組織名に入力ミスがボロボロと出て、 それはそれはスゴ〜イものが届きました[2]。 NHC では、その事態を繰り返さないため、受付スクリプトを作ります。 もともと、宴会の幹事をする時に便利なように、 参加受付と集計をするスクリプトを作っていましたので[3]、 これを改造していきます。 ウェブを探したりもしましたが、こういうスクリプトってなかなか見当たらず、 皆さん一体どうされているのでしょうね。
TheoryNet や国内のメーリングリストに案内のメールが流れ、 online registration が始まると、時々楽しいメールがやってきます。 よく分からない国[4]のよく分からない人が、 ****@yahoo.comや****@hotmail.comといったフリーメールで、 「参加したいので invitation letter をくれ」と言ってきます。 日本への入国のビザを取るためだけに国際会議を利用しているのですが、 全部大文字だったりして SPAM と同じく見るからに怪しいので、 まじめに取り合わないことにします。 でも、中にはホントにビザが必要な人もいて、 ISAAC の時には、大使館に持っていく書類として 招聘状や招聘者の在職証明書を送りました。 (そういうヤヤコシイ案件にかぎって、あと○日以内に大使館に提出しないと 渡航に間に合わないとか、色々とオマケがあるわけです...)
参加登録がすむと、参加者の皆さんとの次の接点は、会場での受付となります。 受付でお渡しする参加者キットの準備をしましょう。 名札、領収書、バンケット券、プログラム、会場案内図を封筒に入れていきます。 名札と領収書は、ISAAC の時に作ったスクリプトを発掘してきて、 online registration のデータをもとに作成します。 バンケット券は、入れる人 (一般)、入れない人 (学生)、 追加のバンケット券を申し込んだ人に応じて、枚数が変わります。 会場案内図は、ホテルからもらったフロアマップに、 どの部屋で何があるかを書き足していきます。 NHC では、料理の種類を変えるため、昼食会場が日によって変わります。 混乱の無いよう、案内を書いておきます。 レポート用紙やボールペン等のおまけをつける場合は、 この時に一緒に入れておきます。 誰に何を入れるかの一覧表を、名前順でソートして作っておくと、便利でしょう。 この一覧表に参加区分や参加費といった申込時のデータをつけておくと、 会場での受付表にもなります。
受付の準備と平行して、会場の準備も必要です。 レーザポインタの照射が点だと見にくいので ○ や ― の出るのを買おうとか、 講演会場でプロジェクタと講演者のPCの間は長いケーブルが必要だなぁとか、 会場の様子を想像しつつ必要な物を手配していきます。 会場内の机や椅子の配置、マイク等の機材の手配、 昼食やバンケットといった食事の手配は、 ホテルの担当の方と打ち合わせておきます。 また、インターネット接続も欲しいので、 これも打ち合わせをしておきます。 NHC では、ホテル側が LAN サービスをまさに開始するところで、 「どの部屋で使われますか。そこから配線工事を始めます」 と融通をきかせてもらえる僥倖にみまわれました。 会議の直前に工事が完了するという点に不安は残りますが、 こちらは無線 LAN のハブを用意してイーサケーブルを挿すだけで良い訳ですから、 助かります。 会場と討論室で使えるようにお願いしておきます。
そんなこんなで、あっという間に時間が過ぎていき、バタバタしているうちに 会議の日を迎えます。 会議前日の 2月27日(日)は、夕方からのレセプションがあるため、 お手伝いをお願いしている学生さんに、荷物の搬入に、 受付の設営にと活躍してもらいます。 ISAAC で受付をお願いした学生さんも多いので 受付を混乱なく開始でき、レセプションもにぎやかで、 翌日からの会議の盛況が予見されます。
会議の期間中は、 受付の再設営、会場のプロジェクタ・OHP の設置、 マイクや照明の確認、無線 LAN の設置と、 使用するものを一通りチェックしたら、 あとは無事を祈るだけです。 講演を聞きつつ、必要な時にお手伝いをします。 ホテル側も、当初の想定以上に大盛況だったので昼食会場を広げたりと、 会議がうまく進むように気をきかせてくれて大助かりでした。
会議 2日目、3月1日(火)の午後は遠足です。
伊藤先生が、会議開催に力を貸していただいている
京都コンベンションビューローの担当の方とノリノリで相談した結果、
二条城と京都御所への梅見ツアーと決まりした。
ホテルへの帰り道には、寺町のお土産屋さんもあります。
私も、梅がきれいに咲いているといいねぇと気楽にしていたら、
伊藤先生が大学の用事で参加できないことになり、
引率者のお鉢が回ってきました。
人数の多い団体さんがはぐれないようにするのは大変だなぁ、
と弱っていたのですが、当日お昼の出発時間には
岩間先生がノリノリで登場。
ポインタを使った NHC の旗も作って (図参照)、陽気に出発です。
修学旅行気分で、二条城の鴬張りの廊下を歩いたり、
城内の梅を見たりとなりました。
こうして NHC は大盛況に終わりました。 興味深い講演をしてくださった講演者の皆様、 会議を盛大にもりあげてくださった参加者の皆様、 そして、お手伝いくださった京都大学の宮崎修一先生、 秘書の澤村玲圭さんと高田ひとみさん、 京都大学岩間研究室の学生の皆さんに感謝しつつ筆をおきたいと思います。 ありがとうございました。
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