Rogers@Home と Windows 98 日本語版

はじめに

Canada で Rogers CATV を使ってパソコンをインターネットに接続しよう とするとき Rogers@HomeというCDがついてくるのですが、 このCDの内容をインストールすると、たいていのマシンの動作がおかしく なります。このCDは日本語Windowsと、とても相性が悪く、 しかもRogersでは日本語OSは手に負えないらしく、 あまりまともにサポートしてくれません。 (←担当者によってかなり違うみたいですが)

そこで勝手に対策を書いたページを作りました。上原が Rogers にも Microsoft にも無関係に個人的に書いている ページなので、問い合わせは ruehara@math.uwaterloo.ca か uehara@jaist.ac.jp までお願いします。

上原が手掛けたマシンは、たまたま全部 Windows 98 だったので、 このページの内容はすべて Windows 98 における結果です。 (他にもFreeBSDという超マイナーなOSも手掛けましたが、 他の人の参考になることはほとんどないので省きます。 Linuxの人には参考になるかもしれませんが。) 他のWindows系のOSやMacは未確認です。

またこのページに書かれている内容はあくまで個人の責任で試して 下さい。私は責任はとれませんので。

いきなりまとめ

ある程度詳しい人向けの情報をまとめておきます。端的に言えば、

つまり通常の接続をした時点で、作業を終了しましょう。 メールもWebも DHCP クライアントにすれば使えるので、それ以外の +αのサービスは捨てる、というのがこのページでの正解(?)です。

なぜうまくいかないの??

症状

Windows が起動するときにIEが

???.DLL ファイルでスタックエラーが発生しました
などといったエラーを出します。そしてそれっきり Windows がまったく起動しなくなります。 上原が見たあるマシンPでは、 Helpモードで画面の解像度を640x480で16色、という もっとも基本的な設定にする と一応 Windows は動作するようになります。 しかし解像度や色の数をこれ以外の設定にすると、 上記のエラーがでるようになっていました。 これでは使いものになりません。 グラフィックカードやモニタのドライバを最新のものにしても復活しません でした。

考えられる原因

たぶんRogers@CATVの中のアプリケーションのどれかが、 システムファイルを上書きしてしまって、 それが英語版のWindowsでの使用しか想定していないからだ、 と思っているのですが、具体的なファイルは特定できませんでした。

実際、上記のマシンPの場合は、ディスプレイ周りのドライバを すべて最新にして、さらに???.DLL という名前のファイルを すべて置き換えてみましたが、症状は変わりませんでした。ですから 単に ???.DLL ファイルをオリジナルに 復活するだけではダメです。

もし誰か置き換えられるファイルを 特定できた人は教えて下さい。 それを復活するだけで問題が解決するなら、 それがベストなのですから。

正しい(??)インストール方法

ここで紹介する方法は、平たく言えば Rogers@CATVのCDを捨てる ということです。ですからRogers@CATVのCDが提供している サービスは完全に無視しています。 はっきり言って本質的な解決にはなってません。

  1. Rogers@CATVのCDをすでにインストールしてしまった場合は、まず して下さい。これでとりあえずマシンの不調が直ればラッキーですが、 これでもダメなら、気の毒ですが必要なファイルをバックアップして、 Windowsを再インストールして下さい。 もちろんRogers@CATV以外の必要な アプリケーションも再インストールして下さい。 上原が試したマシンPでは、Rogers@CATV関連のアプリケーションの アンインストールもきちんとできなかったし、アンインストール後も 上記の症状は改善しなかったので、結局すべて再インストールしました。
  2. ネットワーク関連の設定は、マニュアルに書かれている通りです。 メッセージが英語と日本語という違いはありますが、位置は同じなので、 なんとかなると思っているんですが…。一応詳細を以下に示します。 以下の設定例は上原自身の設定です。 他の人の場合、ちょっとちがっているところもありました。 それについては緑色で区別しておきます。
    1. まず[スタート]→[設定]→[コントロールパネル] →[ネットワーク]を順にクリックして、 ネットワークの設定画面を出す。 (画面例)
    2. 上記設定画面の上のタグの中の[識別情報]を選んで、 3つの情報をRogersにもらった情報で設定します。具体的には、
      コンピュータ名 Rogersに与えられた名前。 crxxxxxxx-x といった名前になっているはず。
      ワークグループ @rogersと設定。
      コンピュータの説明 Rogers にもらったユーザ名。 たぶんなんでも良いと思うのですが。
      設定画面例も一応用意しましたが、 意味ないかも。
    3. 次に[ネットワークの設定]タグをもう一度クリックして 一つ戻して、その中の

      TCP/IP -> ネットワークカード名
      を選びます。「優先的にログインするネットワーク」は Windows ログオンを選んで下さい。 (これをもう一方にすると、電源を入れた時にログイン名をパスワー ドを聞いてくるようになっちゃいます。逆にこの症状が出たときは ここを直せばオッケー。)

      上記の 画面例では 上原の安いネットワークカードが選ばれています。 Rogers でネットワークカードを買った場合は

      TCP/IP -> SOHOware 10/100 PCI Network Adapter
      となっていると思います。 また、市販のカードの中には、このDHCPサービ スに対応していないものもまれにあります (特に古ーいカード)。どうしても接続できない場合は、 ネットワークカードを疑ってみて下さい。Rogersが持ってくる カードなら大丈夫なはずですが。

      このカードをダブルクリックするか、あるいは プロパティを選択します。プロパティは7種類設定する ところがあります。端的に言えば、DHCPを使って自動的に アドレスを取得するように設定すれば、他は何もしなくて オッケーです。具体的には次の通りです。
      IPアドレス IPアドレスを自動的に取得。 (画面例)
      WINS設定 WINSの解決にDHCPを使う (画面例)
      ゲートウェイ 特に指定なし (画面例)
      DNS設定 DNSを使わない (画面例)
      NetBIOS 特に指定なし (画面例)
      詳細設定 特に指定なし (画面例)
      上原が手掛けた他のマシンでは、ここで
      プロパティ
      ATMへのバインドを許可 いいえ
      と設定したものがありました。
      バインド 特に指定なし (画面例)
      上原が手掛けた他のマシンでは、ここで Microsoftネットワーククライアント と設定したものがありました。

  3. 上記の2ステップでインターネットへのアクセスはできるように なったはずです。すでにIEやNetscapeなどの設定が終わっている人は 早速アクセスしてみましょう。
    Proxy サーバがほにゃらら
    とか言ったエラーが出た場合は、Proxyサーバ経由ではなく、 インターネットに直接アクセスするように設定を変更しましょう。 『Proxyサーバってなんじゃい』と思った人は以下の囲みを読んで下さ い。
    [Proxyサーバとは] WWWサービスについては、最近では WWW サーバと WWWクライア ント(Internet Explorer や Netscape)以外に proxy (代理人、 という意味)サーバというサーバ も活躍しています。proxy サーバは、通常非常に大きな記憶装 置をもっていて、WWWのデータを多数保存しています。(これを cache(貯蔵物)といいます。発音は同じですがcash(お金…)じゃ ありません)そして、
    • WWWクライアントがWWWサーバをアクセスしに行こうとすると…
      • 自分が持っているデータならば、これを代わりに見せる
      • 自分が持ってないデータならば、自分が代わりにとってきて、 クライアントに見せると同時に自分でも覚えておく
    • データがあふれそうになったら、あまり使われていないものを捨てる
    という処理をします。これはネットワーク上の WWW データの 流通量を少なくするための工夫です。例えばあるページにアク セスに行くと、一度目は時間が かかるのに、二度目は速い、ということがあります。これは二 度目は proxy サーバ上のデータをもらっているからです。
    IEやNetscapeは、インターネット上に直接アクセスするようにも 設定できるし、身近なproxyサーバを利用して、間接的に アクセスすることもできます。proxyサーバには以下の長所と短所があ ります。
    長所
    ネットワーク上の混雑を緩和する。 見かけ上のアクセスが速くなる。
    短所
    最新のデータでないものを見ている可能性がある。
    ここは好みの問題ですが、Rogersの提供するProxyサーバを使って もよいし、インターネット上のデータを直接アクセスするようにしても よいでしょう。
  4. メールを送受信する場合は、メーラに各種のサーバ類を設定する必要が あります。これらは以下の通りです。
    POPサーバ(あるいはPOP3サーバ)の名前 POP
    SMTPサーバの名前SMTP
    ユーザ名Rogersにもらったもの
    パスワードRogersにもらったものを自分で変更 したもの
    これらの設定はメーラによってまちまちなので詳細は書きません。 またパスワードは自分で好きなものに変更しましょう。 常時ネットワークに高速接続しているマシンは、世界中の悪意ある ユーザに常時狙われているわけですから。

おわりに

すでに書いた通り、 このページで紹介した方法は、本質的な解決にはなってません。 単に Rogers@CATVのCDを使わない、というだけです。 もっといい方法、特にWindowsの 再インストールをしなくてもよい方法を知ってる人は 上原まで教えて下さい。

このページの内容は、上原が直接手掛けたり、間接的に聞いた、 ごく少数のマシンの不十分な調査をもとに書いています。 OSもWindowsとFreeBSDしか取り上げていません。 ですから推測に基づく部分がけっこうあります。 これについても、 もっと詳しいことを知っている人がいたらお知らせ下さい。


Last modified: Wed Nov 6 12:45:05 EST 2002
by R.Uehara (uehara@jaist.ac.jp)
Valid HTML 4.0!