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下水中の新型コロナウイルス検出・監視により感染拡大防止につなげる下水サーベイランス技術の開発

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BioSeeds株式会社
金沢大学
北陸先端科学技術大学院大学
一般財団法人北陸産業活性化センター

下水中の新型コロナウイルス検出・監視により
感染拡大防止につなげる下水サーベイランス技術の開発

 北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)発のベンチャー企業であるBioSeeds株式会社を代表とする5機関は、この度、内閣官房公募事業「ウィズコロナ時代の実現に向けた主要技術の実証・導入に係る事業」に申請を行い、採択されましたのでお知らせします。

 下水中の新型コロナウイルス検出・監視は、患者から直接新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)を検出するよりも早くコロナウイルスの感染拡大を発見できる効率的な方法です。
 今回採択されたのは、内閣官房が公募を行う3つの研究開発領域のうち、コロナウイルス感染拡大防止につなげるための【領域3:下水サーベイランス技術の開発】のプロジェクトです。
 (参考)
  内閣官房事業(株式会社三菱総合研究所が請負) https://pubpjt.mri.co.jp/publicoffer/20220411.html

 地域や大規模なコミュニティで下水を活用したコロナウイルスの感染動態監視を実用化する際、下水からのコロナウイルスの抽出(=濃縮)、分析、データの共有等のステップが必須です。今回採択されたプロジェクトでは、現状の実験室レベルでの検出法は利用に制限があるという課題を解決する対策として、検出現場で簡単・迅速・正確に下水監視が可能な革新的技術の開発を行います。

 本プロジェクトは、BioSeeds株式会社(代表機関)のほか、JAIST、金沢大学、東京大学、一般財団法人北陸産業活性化センターの5機関連携の体制で進めます。
 事業予算は、総額で約14,000千円を予定しています。

 BioSeeds株式会社が2021年度に開発した高感度コロナウイルス迅速簡便検査法(以下、RICCA)のノウハウをベースに、定量化可能な検出法(定量型RICCA)への改良を行います。さらに、金沢大学本多了教授の下水中に存在するコロナウイルスの検出・分析技術、JAIST高木昌宏教授の下水マイクロバイオーム解析技術、東京大学一木隆範教授の可搬型PCR装置による検出技術、一般財団法人北陸産業活性化センターのユーザビリティ評価といった、優れた技術を有する連携機関と共に本プロジェクトを推進し、付加価値の高い下水サーベーランスサービスを開発、社会実装することで、コロナウイルス感染症等の新規感染症防止対策と、経済活動の両立を目指します。

【プロジェクトの概要】
研究開発プロジェクト名:
集団感染の早期発見と老人ホーム・診療所などを対象とした予防のため、現場で下水を監視する高感度新型コロナウイルス迅速簡便検査法の開発

プロジェクトマネージャー:
BioSeeds株式会社 代表取締役社長 Biyani Manish(ビヤニ マニシュ)

参画機関:
BioSeeds株式会社、JAIST、金沢大学、東京大学、一般財団法人北陸産業活性化センター

事業期間:
令和4年10月から令和5年3月20日まで

研究開発のイメージ:

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 業務の成果と社会貢献:
 1)成果
・定量型RICCAによる迅速・簡便な現場での(オンサイト)検出のための実施手順を開発することで、PCRや分子生物学的技術等の特別なスキルを持たない人でも、様々な現場で下水監視が可能になります。
・定量型RICCAにより、施設規模、地域規模および大規模なPCR検査が可能になり、各種施設や地域社会におけるコロナウイルス感染者の有無の早期発見が可能になります。
 2)社会貢献
・施設利用者の感染者を早期に発見することにより、各種施設(老人ホーム、病院、学生寮、商業ビル、工場など)でのコロナウイルス感染症の集団感染(クラスター感染)を防止します。
・コロナウイルス感染症の発生を早期に警告するとともに、発生動向(初期、ピークアウト、収束)を効率的に把握します。

 新規性:
・等温RNA増幅法(RICCA)と紙ベースのラテラルフローアッセイを用いた、15~30分以内に肉眼で迅速かつ正確に読み取れるウイルス検出の実施手順の開発を行います。この際、最初の試みとして下水評価の基準となるトウガラシ微斑ウイルスを基本として、検出方法を確立します。
・下水サンプル中のトウガラシ微斑ウイルスを基準とした、コロナウイルス検出への定量型RICCAの応用を行います。

 社会実装:
1) BioSeeds株式会社が、下水監視によるコロナウイルス検出に必要な製品をパッケージ化し、2023年4月より商品として販売予定です。概算価格は、ウイルス検出キット一式2,000円(税別)、分析装置(可搬型PCR装置)一式1,000,000円(税別)を予定しています。
2) 販売先は、自治体のほか、大規模商業ビル・マンションを運用している大手デベロッパー、大手企業の工場、大型スーパーマーケット、老人ホーム、研究所等への納入を目指します。

【会社概要】
BioSeeds株式会社

 所在地 :〒923-1211 石川県能美市旭台2丁目13番地 いしかわクリエイトラボ2階 214号室-3
 設立  :2018年4月24日
 資本金 :660万円
 事業内容:BioSeeds株式会社は、JAIST発のベンチャービジネス研究室として発祥し、2018年4月24日に石川県で設立されました。同社は、埼玉大学伏見・西垣研究室、東京大学一木研究室、JAIST高村研究室、京都大学保川研究室を含む日本の主要4研究室との20年にわたる学際的研究協力の道を探り、「ディープスタートアップ」として実現・設立されました。BioSeeds株式会社は、「健康な生活と健康な環境の強化」をキーワードに、研究室(サイエンス)から市場(ディープテック)への転換を図り、最も困難で未解決の社会的課題を解決していくことを使命としています。
BioSeeds株式会社は、次の2つの主要な目標によって、人々と環境及び健康を維持・強化することを目指しています。
1) マイクロ・ナノテクノロジーによって発明された新しいツールを提供する「ビジネス'D'」
2) アプタマーを用いた診断薬や治療薬の開発「ビジネス'W'」
 従業員数:3名
 代表者 :ビヤニ マニシュ (代表取締役社長、JAIST特任教授)

【本プレスリリースに関する照会先】
BioSeeds株式会社
ビヤニ、上田 TEL:0761-51-1591

令和4年11月1日

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