プレスリリース
NEDO「ムーンショット型研究開発事業」研究開発プロジェクトに採択
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 |
このたび、北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野 稔、石川県能美市)ら8機関による提案研究が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ムーンショット型研究開発事業※」におけるムーンショット目標4「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」の達成を目指す研究開発プロジェクトに採択されました。
1)ON型光スイッチ:陸域の生活圏では材料として安定ですが、投棄後に海洋流出するまでの過程で生じる表面損傷などにより太陽光がプラスチック内部に届き生分解が始まる(ON)スイッチです。 2)OFF型光スイッチ:蛍光灯や太陽光暴露のある状態では生分解が抑制(OFF)され、海中・海底・コンポストなどの暗所の環境で生分解が始まるという「光スイッチ」です。 3)また、これらを具有させたON/OFF型という理想的システムも同時に提案します。 さらには、海洋生物が誤飲したり周りまわって人間の食料中に混ざり込んでも消化管内で物理的障害や化学的毒性を生じない「食せるプラスチック」の開発も目指します。 2030年にはこれらの海洋実環境における分解性を証明し衣料品やビニール袋などの試作品を作製します。さらに、上記のシステムは広範囲のプラスチックに適用できるため、2050年までにはさらに多くのプラスチックへと展開し様々な種類や形態の光スイッチ型分解性プラスチック製品へと展開します。本プロジェクトは、二酸化炭素の固定化、炭素循環および窒素循環などの概念を取り入れた統合的な地球環境保全・再生に資するものです。加えて、本プロジェクトは、成熟期に差し掛かってきた我が国の石油化学産業をバイオ化学産業に業態転換せしめ、新たな成長に向けたパラダイムチェンジ型イノベーションの一端を担う可能性を有します。 |
<参 考>
1 ムーンショット型研究開発制度
本制度の詳細については、以下を参照
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html
2 ムーンショット目標
2020年1月CSTIにおいてムーンショット目標1~6が決定。2020年7月には健康・医療戦略推進本部においてムーンショット目標7が決定
目標1:2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
目標2:2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
目標3:2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
目標4:2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
目標5:2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な
食料供給産業を創出
目標6:2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
目標7:2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむための
サステイナブルな医療・介護システムを実現
3 NEDOムーンショット型研究開発事業の採択結果
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101346.html
令和2年9月7日