人間情報学研究領域の鵜木教授の研究課題が立石科学技術振興財団の2024年度研究助成に採択
人間情報学研究領域の鵜木祐史教授の研究課題が公益財団法人立石科学技術振興財団の2024年度研究助成(B)に採択されました。
立石科学技術振興財団は、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的に、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対する助成活動を行っています。
同財団は、本年度、研究に対する助成として54テーマ、前期国際交流(後期は9月下旬決定)に対する助成として13テーマを選定・決定し、5月17日(金)にオムロン株式会社みやこホールにて贈呈式が開催されました。
※参考:立石科学技術振興財団
■ 研究課題名
骨導デバイスを利用した聴覚拡張現実の実現
■ 研究期間
令和6年4月~令和8年3月
■ 研究概要
拡張現実(Augmented Reality)は、現実世界とデジタル情報を融合させることにより、快適で豊かな社会を実現する技術として期待されています。また、人間拡張(Human Augmentation)は、人間の能力を補完・向上する、あるいは新たに獲得するための技術です。これらの研究では、「人機一体」ともいえるように、技術と人間の能力が自然に融合して一体化することが求められています。そのため、「人間と機械の調和」が求められる重要な研究課題になっています。例えば、日常生活での音を考えてみます。我々は身の周りの音に注意を払えないことにより、接近する車に気づかず、交通事故にあいかけてヒヤリとすることがあります。また、騒音環境で機器の報知音を聴き取れないことで安心安全な作業ができないこともあります。このような場合、音を利用した拡張現実が我々の聴き取りをサポートし、聴覚拡張が我々の聴取能力を補完・向上させてくれることによって、安心安全な生活を快適に送ることができるのではないでしょうか。
本研究では、聴知覚メカニズムに着目して、現実世界の音とデジタル情報を融合させて聴覚提示することで、聴取能力の補償(低下した機能の改善)と機能向上を導き出せるか、聴覚拡張現実の実現可能性を検討するものです。特に、聴知覚メカニズムに着目した、骨導提示による音の強調・抑圧と気導・骨導音の融合による音のエンリッチメントを実現することで聴覚拡張現実の実現可能性を検討していきます。
※2024年度 助成金贈呈式の様子
令和6年7月2日