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トランスフォーマティブ知識経営研究領域の吉岡准教授の執筆記事「学際的研究による斐伊川のアユや環境の「知」の蓄積」が漁協広報雑誌に掲載

 トランスフォーマティブ知識経営研究領域の吉岡秀和准教授らの研究グループによる執筆記事「学際的研究による斐伊川のアユや環境の「知」の蓄積」が、島根県雲南市の斐伊川漁業協同組合発行の年次広報雑誌「瀬音」に掲載されました(依頼執筆)(写真1)。

■掲載誌
 瀬音 (斐伊川漁業協同組合広報誌) 第16号, pp.10-11. 2023年7月発行

■研究者、執筆者
 吉岡 秀和、吉岡 有美(島根大学)、橋口 亜由未(岡山大学)、田中 智大(京都大学)、辻村 元男(同志社大学)、濱上 邦彦(岩手大学)、友部 遼(東京工業大学)

■記事タイトル
 学際的研究による斐伊川のアユや環境の「知」の蓄積

■研究概要および掲載にあたってのコメント
 吉岡准教授らは2014年度から今日に至るまで、島根県斐伊川(ひいかわ)や石川県手取川(てどりがわ)等の河川を研究フィールドとして、我が国の主要な内水面水産資源であるアユ(学名:Plecoglossus altivelis altivelis)の資源動態について調査・研究を進めてきました(写真2)。日本人に馴染み深いアユではありますが、その資源動態は未だに謎だらけです。アユに対しては様々な角度からのケーススタディがなされてきてはいるものの、資源動態の記述を可能とする統一的理論が存在していません。例えば、どういう環境条件であればどれぐらいの数のアユが海から河川へと遡上してくるのか、どのような環境条件であればどの程度の速度で各個体が成長するのか、密度効果(複数のアユが一か所に集中して生息することが互いの成長速度に影響を与える様子)はどの程度か、等が不確実です。さらには、アユを取り巻く河川環境、例えば水量や水質についても膨大な量の未解決問題が存在しています。
 吉岡准教授らの研究グループもアユについてのケーススタディに取り組んできましたが、数理科学の見地からアユや河川環境を統一的に理解しようと試みている点に独創性があります。また、地域の漁業協同組合と連携した調査により得られる独自データも強みです。その成果の一部として、「瀬音」に今回の記事が掲載されました。その仔細については、ぜひとも本ページにある記事を御覧いただきたいと思います。
 データの取得や解析自体が学術的に極めて意義深いことはもちろんのこと、そうした成果を社会に還元していくことも大変に重要です。とくに、漁業協同組合のように資源管理の現場における問題に直面する方々と連携した調査を行いつつ数理的な方法論でその理解を試みることで、現場で得られた様々な「情報」から「知識」を創出し、さらなる研究を実現することが可能となります。

 瀬音第15号以前にも吉岡准教授による複数の執筆記事が掲載されています。下記リンクから無料で閲覧可能です。後日、瀬音第16号も下記リンクに追加される予定です。
 https://www.hiikawafish.jp/archives/category/seoto

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写真1. 瀬音Vol.16掲載記事(斐伊川漁業協同組合提供)
※クリックで拡大表示します

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写真2. 2023年7月30日に斐伊川で採捕されたアユ

令和5年8月1日

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