共創インテリジェンス研究領域のダム教授らの論文がJournal of Applied Physics 誌のFeatured Articleに選定
共創インテリジェンス研究領域のダム ヒョウ チ教授らの論文が、AIP Publishing(米国物理学協会出版局)刊行Journal of Applied Physics 誌の"Featured Article"に選ばれました。
*詳しくは、Journal of Applied Physics 誌ホームページをご覧ください。
■掲載誌
Journal of Applied Physics 2023, Volume 133, Issue 5, 053904.
掲載日2023年2月6日
■著者
Minh-Quyet Ha, Duong-Nguyen Nguyen, Viet-Cuong Nguyen, Hiori Kino, Yasunobu Ando, Takashi Miyake, Thierry Denœux, Van-Nam Huynh, and Hieu-Chi Dam*
■論文タイトル
Evidence-based data mining method to reveal similarities between materials based on physical mechanisms
■論文概要
マテリアルインフォマティクスの応用は、いくつかの材料科学研究においてその有効性を発揮してきたが、致命的な難題も明らかになってきた。最も特徴的な難題は、材料探索研究においては、想定できる材料の構成元素や構造の数が無数であることに対して、真の新規材料系の発見は稀な出来事であり、優れた物性の背後にあるメカニズム・法則が解明されていないことが常である。そのため、信頼できる材料実験データは一般には少なく、また、研究者が成功データしか報告しない傾向により、材料データは肯定的な結果に偏り、時には矛盾も含んでいる。このような材料データの特徴があるため、材料科学の研究にはデータ駆動型アプローチの導入が非常に魅力的であるにもかかわらず、論理的な信頼性かつ実用性があるデータ駆動型アプローチが確立されていないといっても過言ではない。
この課題を克服するために、本研究では材料科学データの背後に隠されるメカニズムを引き出すことに焦点を当て、「材料を知るためのデータ」から「材料物性のメカニズムを理解するための証拠」へ変換する新たなデータ駆動型フレームワークを確立した。
本提案では、材料データが材料の構造物性の多変量関係に関与する仮説を網羅的に生成し、それぞれの仮説を自動的に検証することにより、材料間の類似性に関する証拠が合理的に変換される。収集された証拠は、不確実性を定量的に推論できるデンプスター・シェイファー理論(証拠理論)のフレームワークを駆使してモデリングと結合し、結論を導く。本アプローチにより、材料データの背後にある物理的なメカニズムを解明するヒントを提供することができる。
論文詳細:https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0134999
掲載誌詳細:https://aip.scitation.org/journal/jap
令和5年2月10日