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受賞

学生の坂口さんが日本MOT学会第16回年次研究発表会においてスチューデントアワード銅賞(学会賞)を受賞

 学生の坂口政嗣さん(博士前期課程2年、トランスフォーマティブ知識経営研究領域、内平研究室)が日本MOT学会第16回年次研究発表会においてスチューデントアワード銅賞(学会賞)を受賞しました。

 日本MOT学会は、MOT技術経営)研究・教育の集積・高度化および日本型MOTの普及・啓蒙を目指して、会員が広く遍く交流し、互いに啓発し合うため、情報交換を図ることを目的として設立されました。
 同学会第16回年次研究発表会は、「デジタルトランスフォーメーションを牽引する技術経営」をテーマとして、令和732日に東京科学大学大岡山キャンパスにて開催され、発表セッションにおける論文発表の中から、社会人学生を含む学生を対象に、将来への発展性および潜在性を有する論文に、学会賞であるスチューデントアワード(金賞、銀賞、銅賞)が授与されました。

※参考:日本MOT学会第16回年次研究発表会

■受賞年月日
 令和732

■研究題目、論文タイトル等
 ディープテック・スタートアップの産業化と組織間知識移転
 ~大学発スタートアップと製造サプライヤーの二重の経路依存性~

■研究者、著者
 坂口政嗣、内平直志

■受賞対象となった研究の内容
 本研究は、ディープテック・スタートアップの産業化における課題を分析したものです。特に、経路依存性と知識移転の観点から、ハードウェア型ディープテック・スタートアップと製造サプライヤー間の相互作用を、事例研究を通じて調査しました。分析の結果、製造サプライヤーは、①製造プロセスに関する専門知識の提供、②製造能力や設備の活用、③市場における信頼性の付与、という本質的機能を通じて、スタートアップの成長を促進する戦略的重要性を持つことが明らかになりました。また、両者の歴史的な発展過程に基づく経路依存が相互に影響し合い、組織間ギャップを生み出す「二重の経路依存性」の概念を提示しました。この二重の経路依存性は、「能力」「市場認識」「戦略的意図」「組織文化」の4つの側面でギャップを生み出し、産業化・社会実装機会を制約します。これらの課題に対し、本研究では知識統合プラットフォームの構築、戦略的対話の強化、組織文化変革という戦略的提言を行いました。本研究の成果は、二重の経路依存の克服がディープテックの産業化という困難な課題解決に不可欠であることを示し、イノベーション・エコシステムにおける知識移転と組織間学習の新たな視座を提供しています。

■受賞にあたって一言
 この度は日本MOT学会第16回年次研究発表会において、スチューデントアワード銅賞を賜り、大変光栄に存じます。本研究は博士前期課程の研究成果として取り組んだもので、ディープテック分野において新たな視点を提供できたことを嬉しく思います。ご指導賜りました内平直志教授、そして貴重なお時間を割いてインタビューにご協力いただいた実験協力者の皆様に心より感謝申し上げます。この受賞を励みとして、更に研究を推進し、日本のディープテック企業の成長に貢献できるよう精進してまいります。

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令和7年3月27日

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