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受賞

学生のLIUさんがICT/ECT 2024においてThe ICT2024 Outstanding Poster Prizeを受賞

 学生のLIU, Ruianさん(博士後期課程3年、サスティナブルイノベーション研究領域、小矢野研究室)が40th International & 20th European Conference on Thermoelectrics (ICT/ECT 2024)においてThe ICT2024 Outstanding Poster Prizeを受賞しました。

 国際熱電学会とヨーロッパ熱電学会が後援するICT/ECT 2024は、第40回国際熱電会議と第20回ヨーロッパ熱電会議の合同会議で、AGHクラクフ大学が主催し、ポーランド(クラクフ)にて令和6年6月30日~7月4日にかけて5日間にわたり開催されました。
 国際熱電会議(ICT)は、理論とモデリング、物理現象、新素材、測定技術、熱電デバイス、システム、アプリケーションなどあらゆる側面を網羅するトピックを取り扱う、熱電変換技術に関する最も主要な国際会議であり、化学、物理学、材料科学の分野における新しいアイデアや発見、また熱電変換の進歩に寄与する産業およびエネルギー分野における実用的な応用について議論する場を提供しています。
 ICT/ECT 2024では約300件のポスター発表があり、その中から優れた発表を行った8件の発表者に対してThe ICT2024 Outstanding Poster Prizeが授与されました。

参考:ICT/ECT2024
   ICT/ECT2024参加レポート

■受賞年月日
 令和6年7月3日

■研究題目、論文タイトル等
Investigation of lattice anharmonicity in Se-doped Bi2Te3 based on temperature-dependent Raman spectroscopy

■研究者、著者
 劉鋭安(LIU, Ruian)、宮田全展、小矢野幹夫

■受賞対象となった研究の内容
 SeドープのBi2Te3は、高性能なn型熱電材料としてインターネット光通信レーザーの温度制御などに広く応用されており、その熱電物性はよく調べられている。しかしながらこの機能性材料の低熱伝導率の原因であるフォノン散乱過程に関する実験はほとんど行われていない。私は、Seのドープ量を系統的に変化させたBi2Te3-xSex材料を合成し、ラマン散乱ピークの半値幅の温度依存性の解析から、結晶歪みやSe置換量による格子の非調和振動の変化を詳細に調べた。その結果、3次の非調和項の寄与が支配的である一方、4次以上の非線形的な非調和振動項はほとんど寄与しないことを明らかにした。いままでこの物質の低い熱伝導率は高次の非調和格子振動によるものと考えられていたが、私の実験結果はその考え方に修正をもたらすものであり、より現実的な低熱伝導率の原因の解明につながる重要な成果である。

■受賞にあたって一言
 この度は国際熱電会議よりThe ICT2024 Outstanding Poster Prizeを拝受しましたこと誠に光栄に存じます。この表彰は私個人の力だけではなく日々ご指導を賜りました小矢野幹夫教授、宮田全展講師(現産業技術総合研究所)をはじめ研究室の皆様のお陰です。この場をお借りして心より深く感謝を申し上げます。また渡航諸費用にご支援を頂いた丸文財団にも厚く御礼申し上げます。

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令和6年7月26日

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