次世代デジタル社会基盤研究領域の宮地教授が情報処理学会 情報規格調査会において国際規格開発賞を受賞
次世代デジタル社会基盤研究領域の宮地 充子教授が一般社団法人情報処理学会 情報規格調査会において国際規格開発賞を受賞しました。
情報処理学会 情報規格調査会(ITSCJ)は、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)などの情報技術に関するデジュール標準である国際規格の審議及びこれに関する調査研究、国内規格の審議などを行い、情報処理及び電子計算機に関する標準化に寄与することを目的としています。
宮地教授はISO/IEC 15946-5:2022の国際規格発行に際し、エディタとしてその成果が顕著であると評価され、国際規格開発賞を受賞しました。
■受賞年月日
令和4年10月4日
■受賞対象となった国際規格
規格番号「ISO/IEC 15946-5:2022」
プロジェクトタイトル「Information security - Cryptographic techniques based on elliptic curves - Part 5: Elliptic curve generation」
■受賞対象となった研究の内容
セキュリティ技術の推進には国際標準化は必須です。本規格は、電子社会に必要な技術分野である楕円曲線暗号の国際規格であり、本規格の成立により、従来型の楕円曲線暗号及びサイドチャネル攻撃への耐性をもつ楕円曲線暗号の両方に利用できる基本関数の規格化が完成することになり、楕円曲線暗号の広範な利用が促進されます。
なお、国際規格化された技術の中には、宮地教授の提案技術も含まれます。
■受賞にあたって一言
本規格は、電子社会に必要な技術分野である楕円曲線暗号に関する国際規格です。楕円曲線暗号には、従来型の楕円曲線暗号と双線形写像を用いる楕円曲線暗号があります。本規格の成立により、従来型の楕円曲線暗号及び双線形型の楕円曲線暗号の両方の生成に必要なアルゴリズムの基本関数の規格化が完成しました。
セキュリティ技術の推進には国際規格化は必須ですが、このように利用が不可欠なセキュリティ技術の国際規格化が実現できたことは非常に有意義で、さらにその成果に関して国際規格開発賞を受賞することができたことは、大変光栄です。
1999年に国際標準化機構(ISO)で国際規格を作成するエディタの仕事をはじめてから、多くの情報セキュリティに関する国際規格を発行してきましたが、今後も情報セキュリティ技術の国際標準化の推進、日本の国際的地位向上に向けて貢献したいと思います。
令和5年3月7日