共創インテリジェンス研究領域の日髙准教授が日本認知科学会論文賞を受賞
共創インテリジェンス研究領域の日髙 昇平准教授の論文が日本認知科学会論文賞を受賞しました。
日本認知科学会は、認知科学の研究に携わる者の情報交換および討議を助成することを目的としています。
論文賞は、同学会の学術雑誌である「認知科学」に掲載されたその年の投稿論文を対象とし、斬新性・革新性、完成度、異分野対話性などの点で総合的に優れた、「認知科学」を代表する論文に対して授与されます。
■受賞年月日
令和4年9月9日
■研究題目、論文タイトル等
ネッカーキューブはなぜあの立体にみえるのか
■研究者、著者
日髙昇平、高橋康介(中京大学)
■受賞対象となった研究の内容
本論文は、二次元で描かれた図形が、なぜ三次元の立方体に見えることがあるかを説明するための知覚モデルを提案している。そのため、ネッカーキューブ図形を取り上げ、特定の三次元イメージとして知覚されるのは、視覚には効率よく視覚データを符号化する性質があるためと仮定し、対称性と変換群によって、ネッカーキューブが三次元の立方体として知覚されやすいことを説明している。説明の手段として圏論を用いており、認知科学における新たな研究の方法を拓いたという点で、斬新性が高く、ネッカーキューブが題材となっていることで、異分野対話性にも優れており、論文全体の完成度の高さなども含めて優れた論文であると評価された。
■受賞にあたって一言
この度は、私たちの共著論文に対して栄誉ある論文賞をいただき、光栄に存じます。また、特集エディタの高橋達二先生、布山美慕先生、匿名査読者の方、並びに、この論文をまとめるにあたり、議論にご協力ただいた先生方に深く感謝を申し上げます。
この論文の内容は、数年来温めてきた意味認知の理論に関する構想の一端を書き留めたものです。今後もこのような数理的な分析を基礎に、人の意味認知過程を説明するべく研究を展開したいと存じます。
令和4年9月14日