セキュリティ・ネットワーク領域の篠田教授らの共著論文が国際会議IWIN 2021においてBest Paper Awardを受賞
セキュリティ・ネットワーク領域の篠田 陽一教授らの共著論文が国際会議15th International Workshop on Informatics(IWIN 2021)においてBest Paper Awardを受賞しました。
IWIN 2021は、研究者と実務家が一堂に会し、経験を共有および交換し、課題について話し合い、情報学とコンピューターネットワークのあらゆる側面で独創的なアイデアを提示します。
この会議では、多大な貢献をしたと判断された論文と講演者に対して賞が授与されます。
今回、IWIN 2021は、9月12日から13日にかけてオンラインにて開催されました。
■受賞年月日
令和3年9月13日
■研究題目、論文タイトル等
A CyReal approach to sensor system development
■研究者、著者
Kei Hiroi, Akihito Kohiga, and Yoichi Shinoda
■受賞対象となった研究の内容
本研究では、センサを搭載したIoTデバイスの大規模な設置や運用が抱える再配置、改修の煩雑さを解決するために、CyRealセンサシステムを開発した。CyRealセンサシステムは、特に防災情報の収集・運用の研究・開発・運用を支援し、特定の設置環境や運用形態を想定した事前検証を目的としている。大規模なセンサデバイスを想定した機能検証を可能にするため、センサデバイスのノードとセンサを分離しそれぞれに対して仮想機、実機の接続機構を取り入れる。仮想機だけでなく実機との接続、検証を可能とすることで、仮想機だけでは実証できない機能や通信環境を想定できるほか、クラウドとの接続も容易になり、実際の運用環境を前提とした運用コストの削減や資源の多重利用が可能となる。本稿では、CyRealセンサシステムの思想に基づいたプロトタイプを設計、実装し、CyRealセンサシステムの性能調査を行った。その結果、提案するCyRealセンサシステムによって、汎用的な利用環境で数千台規模のIoTデバイスの事前検証が可能であることを示した。
■受賞にあたって一言
2020年からCyRealの概念を打ち出し研究を進めており、今回の論文は防災システム分野でのCyReal研究のひとつとなります。CyRealは、CyberとRealの混在として、デジタルツインの概念の中間的な役割を果たす概念であり、コンピュータシステム、人、環境などの実物と仮想物を柔軟に入れ替え、統合します。これは、デジタルツインの概念をさらに拡張したもので、デジタルツインの発展を促進するシステムとしてを提唱しました。CyReal研究の記念すべきひとつめの受賞である本受賞をバネに今後もますます精力的に研究に打ち込んでいきます。
令和3年12月1日