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受賞

学生の木村さんとヒューマンライフデザイン領域の宮田教授が情報処理学会シンポジウム インタラクション2021においてインタラクティブ発表賞(一般投票)を受賞

 学生の木村 正子さん(博士前期課程2年、ヒューマンライフデザイン領域、宮田研究室)と、ヒューマンライフデザイン領域の宮田 一乘教授が情報処理学会シンポジウム インタラクション2021においてインタラクティブ発表賞(一般投票)を受賞しました。

 1997年より毎年開催されているシンポジウム「インタラクション」は、ユーザインタフェース、CSCW、可視化、入出力デバイス、仮想/拡張現実、ユビキタスコンピューティング、ソフトウェア工学といった計算機科学、さらには認知科学、社会科学、文化人類学、メディア論、芸術といった人文科学の研究者および実務者が一堂に会し、インタラクションに関わる最新の技術や情報を交換し議論する場を提供しています。
 本シンポジウムは、基調講演、査読を経て選ばれる登壇発表、実機デモンストレーションを行う「インタラクティブ発表(デモ)」、および議論を目的とした「インタラクティブ発表(ポスター)」から構成されます。インタラクティブ発表は、発表者と参加者との双方向的なコミュニケーションを目的としており、すべての投稿論文を評価した上で、優れた論文についてはプレミアム発表として認定し、発表当日にチーフプログラム委員が選定する賞の候補となります。
 インタラクション2021は、3月10日から12日にかけてオンラインで開催されました。

■受賞年月日
 令和3年3月12日

■研究題目、論文タイトル等
 眉と連動する可動耳型デバイスによる表情拡張の印象評価

■研究者、著者
 木村正子(本学)、藤井綺香(東京大学)、宮田一乘(本学)

■受賞対象となった研究の内容
 非言語情報により感情が伝わることがある。相手の表情の変化から感情を読み取れる場合もあるが、表情が受け手に伝わらない場合もある。これに対して既存研究では、疑似的な眉毛が付いた眼鏡型デバイスにより眉毛の太さと角度を変化させ、 他者へ自身の感情を伝わり易くした。しかし、デバイス自体に重量があり、充電式のため手軽に使用できず長時間の動作は期待できない。本研究では非電源かつ軽量なデバイスを用いて、眉毛の動きにより表情拡張を試みる。使用するデバイスは、眉毛と頭部に装着した猫耳を模倣した薄い板をワイヤで接続させ、眉毛の動きをその板に連動させることで、眉の動きを拡張する。これにより、喜び怒り哀しみの感情を強調する。印象評価をし、分析した結果、女性は男性よりも35%感情を把握しやすいことがわかった。

*参考動画

■受賞にあたって一言
 この度、インタラクション2021にて「インタラクティブ発表賞(一般投票)」を受賞させて頂き、ずっと目指していた学会の賞を頂けたことは、JAISTへ入学して本当によかったと思え、一番喜ばしい受賞でした。インタラクションは奇しくも2011年東日本震災の1日前に東京・日本科学未来館で開催していたのを素通りし、人生で初めて学会というものを知ったきっかけになった学会でした。ずっと目指し憧れていた学会でいつかデモ発表をし、受賞することを大きな一つの目標としておりました。
 今回、眉毛と連動し表情拡張により感情表現を促す「スゴミミ」というデバイスが、悔しくもインタラクションのプレミアム発表に選出されなかったのが悔しく、発表日の前日までデモビデオの作り込み、デモ発表やトークの練習を沢山行いました。
 本当はリアルなインタラクションの学会会場でお客さんらと楽しんでデモをしたかったですが、コロナ禍で2年連続オンライン開催が悔やまれることでした。しかし、面白いモノを創作し続けていることはオンライン上でも変わりないことです。インタラクションは私に学会の面白さを教えてくれた学会で特に思い入れの深い学会なので、次こそはリアル学会で登壇者として参加したい気持ちがとても強いです。
 自身の研究としてはヒトの感情の可視化にフォーカスした面白い研究をしたくてJAIST東京サテライト宮田研究室へ入学し、JAIST東京校の学生でも東京大学のコミュニティや研究仲間、石川キャンパスの宮田研究室・同じ学系の知識科学の皆様に支えられてきました。これからも更に面白い研究を発展させて世の中を少しでも楽しくしたいと思います。
 遠隔でもいつもご指導頂ける宮田一乘先生、熱心な論文のご指導を頂きました株式会社ドワンゴ・JAIST特別研究員の櫻井快勢氏、いつも一緒に研究・アート制作で支えてくれる藤井綺香さん・東京大学の伊東健一さん・明治大学の坪井理人さん、東京・本郷でいつも研究やアート活動を支えてくださる石橋拓真さん・紺野雄太さんを中心とするLab-Caféメンバー・コミュニティの皆様、動画と写真のモデルをしてくれたYingqing Liuさん・鈴木柚里絵さん、石川キャンパスでの実験にて場所提供して頂きました西本一志先生、ご協力いただきました國藤進先生、実験協力頂きました被験者の皆さん、宮田研究室の皆さん、Sony クリエイティブラウンジの皆さん、スゴイラボの皆さん、そしてご協力頂いている皆さん、応援して下さる皆さんに心から御礼と感謝を申し伝えます。本当にありがとうございました。次の道に向けて更に前進致します。

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令和3年3月18日

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