JAISTでは、外国人留学生の日本や地域の文化に対する理解を深めるとともに、日本人学生を含めた学生同士の交流も深めるため、日本文化研修を開催しています。

第1回：留学生と日本人学生が文化研修で座禅体験

　6月28日に今年度第１回の日本文化研修を実施しました。参加した14名の留学生と１名の日本人学生は、福井県にある曹洞宗大本山のひとつ、永平寺を訪れ座禅を体験しました。

　僧侶の指導を含めて約40分間行った座禅では、初めての体験にもかかわらず、肩への一打（警策（きょうさく））を受けることなく、全員が集中して行うことができました。俗世間を離れ、心静かに過ごす時間はとても新鮮だったようで、もっと長時間座っていたかったと述べる学生がほとんどでした。また、このような宗教的行事に参加することは、自らの宗教的観点からも非常に名誉なことだと述べる留学生もいました。座禅後は、古杉の林立する中に回廊で結ばれた七堂伽藍を見学し、写真を撮る等思い思いの時間を過ごしました。

　日本人学生とともに、ミャンマー、ネパール、ベトナム、インド、フィジー、ドイツといった多様な国々からの留学生が参加した今回の座禅体験は、日本の仏教文化を知る上で非常に有意義な文化研修となりました。

永平寺前にて参加者全員で

禅堂にて座禅を組む留学生

集合写真

第2回：留学生と日本人学生が和菓子作り体験とからくり記念館見学

　8月30日に今年度第2回の日本文化研修を実施、学生4名が参加しました。金沢市兼六町の石川県観光物産館を訪れ、和菓子職人の指導を受けながら和菓子の手作り体験をしました。作成したのは朝顔や向日葵といった夏花を象った上生菓子で、学生は皆慣れない手つきながらも、真剣な様子であんを捏ね、それぞれの夏花を表現していました。日本人学生が留学生に作り方や夏花を英語で説明する姿も見られ、始終和気あいあいとした雰囲気でした。 　

　その後、金沢市大野町の石川県金沢港大野からくり記念館を訪れ、からくり人形の仕組みや幕末の科学技術者「大野弁吉」について、職員によるからくり人形の実演と解説を通して学びました。また、館内には数多くのからくり玩具が展示されており、学生は皆その難解なからくりを解くことに夢中になっていました。中にはからくりの魅力のとりことなったのか、「からくり玩具が欲しい」と言う留学生もいて、今回の文化研修は日本文化を体感できるとても有意義な研修となりました。

和菓子を作る学生

石川県観光物産館にて

からくり人形の実演

第3回：留学生が和太鼓鑑賞と工場見学

　2月20日に今年度第3回の日本文化研修を実施、留学生11名が参加しました。まず石川県白山市の浅野太鼓を訪れ、太鼓の里体験学習館にて太鼓づくりについて話を伺いながら、和太鼓をはじめ、アフリカ、アジア、中東、アメリカなどの世界の打楽器100点余りの展示を鑑賞しました。留学生らはさまざまな太鼓を叩いて音色を楽しみ、中でも口径180センチの大太鼓には目を丸くしていました。同社の太鼓教室の発表会に招待され、参加を楽しみにしている留学生もいました。

　次に同白山市のＥＩＺＯ株式会社を訪問した留学生らは、会社概要の説明を受けた後、液晶モニターの工場を見学しました。同社工場を初めて間近で見学した留学生らからはその技術力の高さに驚嘆の声が上がり、活発な質疑応答が行われるなど、日本の技術への関心の高さが伺えました。ショールームでは同社の液晶モニターの購入を検討する学生もおり、日本のものづくりと技術への理解を深められたとても有意義な機会となりました。