データが拓く新時代の材料科学

　マテリアルズインフォマティクス（以下、MIという）とは、材料科学にデータ科学的な方法論を用いる試みであり、材料科学の研究開発のあり方を不可逆的に変革するものと期待されています。MIは技術的には既に実践の段階にありますが、社会的にインパクトのある研究成果や材料を生み出すためには、実験・分析科学、計算化学、データ科学に跨る研究者間の緊密な連携が必須となります。
　そこで、本拠点では、実験・分析科学、計算化学、データ科学をそれぞれ専門とする学内５研究室の力を結集し、MIを主とする実践的な研究開発を通して新時代の材料科学を目指します。これに当たって、特に、１）ハイスループット実験装置の開発と材料ビッグデータの取得、２）データ駆動型物質探索法、３）物性現象の理解を重視した説明・解説可能なAI、４）並列合成装置の開発と構造性能記述因子の検証に関する要素技術を確立し、学内外及び国際的な連携を推進します。さらに、研究室間での共同研究やサブテーマを通した交流を積極的に推し進め、任意の材料に対してMI研究を上流から下流まで設計し国際的かつ学際的な環境で活躍できる若手研究者を教育します。