AI・エンタテインメント科学国際研究センター
AIとエンターテインメント科学の互恵的融合による楽しい社会
複雑な環境に適応可能な知的探索技術や機械学習など、人工知能(AI)技術は近年大きな発展を遂げました。これにより、様々なデータ資源を知識として統合し、それを幅広い問題に体系的に適用し、与えられた環境に柔軟かつ動的に対応できる、信頼に値する AI、ロバストな AI が現実のものとなりつつあります。
AI 研究と並行して、エンターテインメント科学も盛り上がりを見せています。人間は何をもって楽しいとかつまらないとか感じるのか。人間の楽しさなどの感情特性をどのように計測し、あるいは予測するのか。人間を楽しませるために、ゲームのルールや報酬設計はどうあるべきか。ゲーミフィケーションによって学習効果を高めるにはどうしたらよいのかなど、様々な研究が展開されています。
AI とエンターテインメント科学は親和性が高く、この二つの分野を互恵的に融合することで、ゲームまたはゲーム的実環境における諸々の挑戦的課題に取り組むことができるようになると期待されます。
このような研究を遂行するには、ゲーム情報学、認知科学、ヒューマンコンピュータインタラクション、画像処理、自然言語処理、情報システム工学、教育工学などの様々な分野の力を結集させる必要があります。
デジタルゲームの AI エージェントが人間プレイヤを楽しませるために人間を研究し技術を進化させてきたように、現実世界で人間と関わる AI エージェントも人間の感情や認知バイアスに十分考慮した真に知的な振る舞いが求められるのです。
アフターコロナの時代において、学習・教育・サービスなど多くの分野で AI とエンターテインメント科学の連携はさらに重要度を増しています。人間と人間、人間とコンピュータの関係は劇的に変化しつつあり、共創と協働を支援するための環境構築やシステム設計が喫緊の課題となっています。
本研究センターは、ゲームやゲーム的な環境を動的な社会を研究するためのモデルとして用い、新しい知の創造と活用を行う学際的な研究のプラットフォームとして、現実世界の重要問題を段階的に解決していくことを目指します。