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ポリオレフィン研究会とは

研究会設立の趣旨と概要

日本ポリオレフィン総合研究会
(SPOSI-J)とは

世界のポリオレフィン産業は、樹脂需要の増大に伴い、中東や中国を筆頭に全世界に拡大しています。近年は、従来ほとんど石化産業がなかった中南米北部、中央アジア・シベリア・アフリカ等の地域の勃興も見られます。さらにここ数年はシェールガス革命により、極度に安価なエタン原料による北米の石油化学産業の復権が実現しようとしています。他方、日本の石油化学産業は、原油価格の高騰と長期に亘る不況を経て、2000年頃には、汎用素材の供給者から「高機能ポリオレフィン材料の創造と製出者」へと変貌を遂げてきています。

ポリオレフィンの過半を占める「世界標準仕様の汎用材料=誰でも生産可能なもの」は、国内産業としても可能な限り防衛必要ではありますが、もはや日本にとって必須の仕事ではなくなっています。高機能化オレフィン系高分子材料は広範な分野の需要が活発で量的にも相当部分を占めるわけですが、中長期的に見れば国内産ポリオレフィンの量的な縮小は避けられず、産業としては今後も引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。

日本のポリオレフィン産業が世界をリードして高機能化の発展を続けるためには真のブレイクスルーと呼べるような技術的進展が必要であり、触媒・重合・成形加工・安定化などの各要素の技術的な進展はもちろんですが、知財あるいは社会科学的な視点・環境の側面までを包含する統合的研究開発のような形が必要と考えられます。そのために各分野の研究者・技術者が集結して議論すると共に交流を深める場が必要であり、多分野からの参加者に、情報交換・吸収をする場を提供することが重要と考え、本研究会を設立することと致しました。

本研究会を通じて、ポリマーのサプライ側とユーザー側は、共に、最新の基礎的研究やその実際的な応用に関する知見を得ることができ、またポリオレフィン産業の動向や市場の理解を深めることができるものと考えています。さらに、ポリオレフィン分野全体にかかわる情報発信の機能を担うこと、また会員相互の人間的なつながりを深めることも併せて目的とします。