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COE Research Monograph Series
COE Research Monograph Series,Vol.5
北陸先端科学技術大学院大学 21世紀COEプログラム
「国民年金法の構造的書き換え −法令工学の立場から−」
島津 明
B5判 242ページ
ISBN 978-4-903092-19-5
※非売品です。入手を希望される方は,jaist-p@kagasaisei.co.jpまでご連絡下さい。
概要
本書は,法令工学[片山07] の立場に立って行った国民年金法の条文の書き換えをその考え方とともに示すものである.
我々の社会は,非常に多数の相互に関連した法令や規則により規定されている.法令や規則は,社会の構造や機能を記述するとともに,我々の活動や手続きを定めており,我々はそれに従って活動している.したがって,法令や規則が適切に作られており,それらが社会のなかで正しく運用されていることは,社会の安心性の基本である.
法令工学は,このような見方に立って提案された新学問分野である.すなわち,完全性の高い,整合性のある法令の作成・変更作業の系統的支援,法令に基づいて作られる情報システム法施行情報システムの系統的設計,法令を情報システムや組織等へ反映させる方法など,法令に係わる問題に情報科学的手法,ソフトウェア工学的手法を適用する方法論を研究し,安心な社会の実現を目指す.
このような法令工学において,言語処理の役割は大きい.法令文書の言語処理の目的は,法令文書から法令構造を抽出するなどの処理により,法令の作成・変更作業の系統的支援,法施行情報システムの系統的設計,法令の組織等へ反映に寄与しようとするものである.
法令文書の言語処理の研究の一環として,我々は,可読性の高い法令記述言語の設計を目指し,国民年金法の条文の書き換えを行った.法令文書の可読性を高めることにより,法令工学がねらう法令文書の整合性や完成度の向上が期待できる.
本書は,どのような方針で国民年金法の書き換えを行ったか,そのための規則とその例,書き換えた条文の項や号,326の元文と書き換え結果を示す.書き換えは,国民年金法の条文のうち,被保険者に係わるものを主な対象にしている.書き換えは,国民年金法や関連法令からみて誤りがないか,社会保険労務士が確認している.条文解釈の誤りなどが指摘されたが,書き換えの形式による誤りはなかった.本書に示した書き換えは誤りを訂正したものである.
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