知識を育む支援技術の研究
西村(拓)研究室 NISHIMURA Laboratory
講師:伊集院 幸輝(IJUIN Koki)
E-mail:
[研究分野]
知識工学、認知科学、情報デザイン、ヒューマンインターフェース・インタラクション
[キーワード]
知識構造化、知識伝承、マルチモーダルコミュニケーション
研究を始めるのに必要な知識・能力
研究室ゼミを通じて、知識工学や認知科学、社会実装に必要な情報デザインについて学んでいくため、論文内容を論理的に理解し説明できる能力が必要です。また、研究分野を横断する交流を推奨するため、様々なものに興味を持てる方が望ましいです。
この研究で身につく能力
知識工学や認知科学、情報デザインといった分野に関する基本的な理論体系と実践経験
それらの学習を通じた論理的思考能力
実社会との共同研究を通じた社会課題発見のための洞察力とコミュニケーション能力
【就職先企業・職種】 製造業・サービス業などにおけるDX関連業務
研究内容
ITやAI技術の発展、社会的情勢の劇的な変化が起こる今、企業や組織の中では新たな知識の創造や活用が求められています。本研究室では、組織や集団の中で知識を蓄積し、活用され続けるような知識を構築するための支援技術について研究を行っています。具体的には、様々な現場と共同して、新たな知識構造化手法・知識伝承手法の提案や、社会実装に取り組んでいきます。
具体的には、主に2つの研究テーマに注力しています。
(1)熟練者の知識構造化手法の提案
熟練者の知は、彼/ 彼女らの培ってきた経験や思考に基づいて、暗黙的に構成されているケースがほとんどです。そのため、熟練者の知の一部を適切に形式知化していくことが、その組織や集団のためには重要になります。
本研究テーマでは、現場の観察や熟練者へのインタビューを通じて、現場で本当に活用される知識の在り方を探求し、適切な形での構造化を目指します。
(2)知識伝承活動の社会実装
知識は、現場の中で活用され、継承され、新たに創造されていくことが重要です。本研究テーマでは、情報デザインや社会科学の研究者と連携し、新たな知識伝承活動とそれを支える技術やシステムについて探求します。
本研究室では、これらのテーマについて、製造業現場・介護現場・コンサルティング会社との共同研究を行っているため、実践的な社会実装を目指した研究を取り組むこととなります。
また、上記の研究テーマに関連する基礎技術や知見の発見に関する研究も並行して行っています。例えば、知識伝承活動で行われるワークショップにおけるファシリテーション技能や対話戦略の構造化・システム化などを探求することで、学術的な観点から社会を支える研究を目指します。
主な研究業績
- 作業手順内の行為の目的を表出し構造化する方法の提案 ー介護現場での目的指向知識構造化ー,伊集院幸輝他,情報処理学会論文誌, 63(1):pp.104-115, 2022
- “Human-Centric Digital Twin Focused on “Gen-Ba” Knowledge: Conceptual Model and Examples by Smart Voice Messaging System.”, Naoshi Uchihira, Takuichi Nishimura, Koki Ijuin, PICMET, 2023
- “Difference in eye gaze for floor apportionment in native-and second-language conversations,”, Koki Ijuin, et al., Journal of Nonverbal Behavior 42(1): pp. 113-128, 2018
使用装置
視線追跡装置、モーションキャプチャ、知識構造化支援システム
研究室の指導方針
知識工学や認知科学、情報デザインといった研究分野の観点から現場で役立つ知識を、現場観察・事例研究・知識構造化・実験室実験・現場実験を通じて研究を進めます。
ゼミは週2回のペースで開催し、研究進捗の報告などを持ち回りで行います。加えて、先行研究や重要文献の読み合わせを行う輪講を他研究室と合同で実施していく予定です。年に1、2回、他大学の研究室との合同研究会でのポスター発表練習を予定しています。
様々な研究分野を学び、様々な研究者や企業人との交流を行う機会を作っていくため、幅広く好奇心を持ち探究を進められるような研究室を学生の皆さんと作っていくことを目指します。
[研究室HP] URL:https://sites.google.com/view/nishimuralab/home