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橋本研究室

言語・コミュニケーション・社会制度を対象に
知識の創造・共有・活用を考える

橋本研究室 HASHIMOTO Laboratory
教授:橋本 敬(HASHIMOTO Takashi)

E-mail:E-mai
[研究分野]
複雑系科学、知識科学、進化言語学、進化経済学
[キーワード]
言語、コミュニケーション、制度、創発、進化、ミクロ・マクロ、シミュレーション、言語進化実験

研究を始めるのに必要な知識・能力

新しい研究には新しい知識を得ていけば良く、特に必要な事前知識はありません。プログラミング、データ分析、数学、読書、現場での活動、モノ作りなど、なにか得意とすることがあると、それを活かした研究ができるでしょう。論理的にしっかり考えを深めようとする態度が大切です。

この研究で身につく能力

研究課題を設定し、具体的なデータを取得・分析し、それを考察して自分の主張を作りあげ、他人に分かるように伝えるという研究活動を通して、問題を見出して分析する能力と論理的に考える力が強化されます。研究で用いる方法に応じて、プログラミング、データ分析、実験計画、社会調査、コミュニティ活動などのスキルが得られます。そして、異なるテーマ・方法論の研究を行うメンバーが一緒に議論し切磋琢磨することで、幅広い視点や知識を得て研究を深めるとともに、メンバーの成長が促されるでしょう。しっかり構成された修士論文を書くまで研究に取り組むことで、具体と抽象を行き来し、自分の考えを人にきちんと伝える能力が身につきます。これらの能力は、取り組むべき問題を見極め、既存の知識を活用しつつ解決策を新たに作り、人と協働していく上で、社会に出てからもとても役立ちます。

【就職先企業・職種】 情報通信、ゲーム、コンサルタント、金融、教育等の業種、エンジニア、研究者、技術営業、企画等の職種

研究内容

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構成論的アプローチ

言語、コミュニケーション、社会制度を対象に、ダイナミクス・相互作用・創発を重視する複雑系の観点から、知識の創造・共有・活用を探求する知識科学の研究をしています。言語・コミュニケーションという人間の本質をよく理解し、その上で幸せで豊かな社会を作ることに貢献したいと考えています。これらの研究は、取り組む対象とその理解の仕方に応じて、シミュレーション、数理モデル、認知実験、ロボット実験、脳波計測、社会調査などの方法を用いて進めます。特に、創発するシステムを作って動かすことを通して複雑な対象についての理解を深め洞察を得る、構成論的アプローチを用いることがわたし達の研究の特徴です。

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二者同時脳波計測
(予備実験)の様子

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ミクロ・メゾ・マクロループ

1)言語の起源と進化

言語は、知識の表現や伝達そして思考に用いられ、創造性を飛躍させるとても大切な能力です。この能力を人間はどのように得たのか、そして、言語はなぜ今のようになったのか。このような根源的な問いを考えることで、言語と人間の本質が見えてくると考えています。そのために言語能力や言語知識に関連する生物進化、文化進化、創造性などについて探求しています。

2)コミュニケーションのダイナミクス

人間は、様々な手段により意図を共有するコミュニケーションを行います。また、コミュニケーションを通じてなにかを共に創り出す(共創する)こともできます。感情や情報だけではなく互いに意図を共有し、そして、共創へ導くようなコミュニケーションを、人々はどのように実現してるかを、様々な方法で探求しています。たとえば、シミュレーションや認知実験に加え、他大学と協力して2人の脳波を同時に測定して分析する研究も進めています。

3)社会制度の変化とデザイン

人々が共有している思考や行動の型である社会制度は、社会を成り立たせる大事なものです。制度の形成や変化を理解し、どのような制度を作れば人々がより幸せに暮らせる社会になるのかを探求しています。人々の意識や行動とその社会的帰結の間を制度が媒介すると見る「ミクロ・メゾ・マクロループ」の視点を重視して研究に取り組んでいます。

主な研究業績

    Hashimoto, T. (2020) The emergent constructive approach to evolinguistics: Considering hierarchy and intention sharing in linguistic communication, Journal of Systems Science and Systems Engineering. 29, 675–696.
  1. Toya, G. and Hashimoto, T. (2018) Recursive combination has adaptability in diversifiability of production and material culture. Frontiers in Psychology, 9, Article 1512, 1-17.
  2. Hashimoto, T. and Nishibe, M. (2017) Theoretical model of insti-tutional ecosystems and its economic implications, Evolutionary and Institutional Economics Review, 14(1), 1-27.

使用装置

計算サーバ、ヒト型ロボットNAO、簡易型脳波計、装着型モーションキャプチャ、高速リフレッシュレート・応答速度の視覚剌激提示装置

研究室の指導方針

本研究室では、研究を通じて成長しようという気持ちを大切にし、学生自身の興味にもとづき、学生と教員が一緒にわくわくして取り組める研究テーマを設定します。毎週のゼミでは、論文紹介と研究進捗報告をそれぞれ1名が担当し、メンバー全員で議論をします。異なる対象や方法の研究をみんなでしっかり議論することで、多様なものの見方、掘り下げたり俯瞰的に見たりする思考力、異なる研究や視点・意見を自分の研究に展開する力を鍛えます。また、学生と教員の個別ミーティングを適宜持つことで、研究や就活などの相談をじっくり行います。修士学生は少なくとも1回は学会発表を行うようにしています。

[研究室HP] URL:https://sites.google.com/view/hashimotolab/

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