データ解析のコンセプトを学んで
情報化時代における知識の獲得を楽しもう
ダム研究室 DAM Laboratory
教授:ダム ヒョウ チ(DAM, Hieu Chi)
E-mail:
[研究分野]
計算物理学、データ解析学
[キーワード]
計算機シミュレーション、データマイニング
研究を始めるのに必要な知識・能力
統計学・線形代数学の基礎知識、プログラミングの知識が必要。実際の現象を眺めて、そこから推測したり逆問題を考えることが好きであること。
この研究で身につく能力
研究活動は、まず研究対象となる問題を把握すること、把握した問題を解決すること、結果を発表することという三つの段階からなる。修士研究においては、自分で独自の問題をゼロから見つけてくることは簡単ではない。そこで、データ解析学の基礎的な知識の学習を通して、データ解析学によって解決できる問題や解くべき興味深い現実問題を見つけることを目指す。この際に,日本語だけではなく、英語の文献を読む能力を身につける。問題解決に関しては、現場の実感、共感、素朴な閃きからスタートする思考態度の習慣を身につけて、データ解析の基礎理論的な知識やそれを使いこなして解決する能力の獲得を目指す。研究においては、十分なプレゼンテーション能力を身につけることだけでなくプレゼンテーションを経たクリティカルシンキング習慣を身につける。
【就職先企業・職種】 情報通信・情報処理産業、技術コンサルタント会社など
研究内容
科学技術の研究では実験データやシミュレーションデータの有効活用は最重要課題となっている。これらのデータは各対象固有の特色に即した構造(セマンティクス)を内包しており、その構造を明らかにし、データに内在する価値を最大限に引き出せれば、科学技術の研究分野で大きなブレイクスルーとなる。そこで、巨大で複雑なデータに潜む構造を簡潔で理解容易な形で引き出して有効活用するために本研究グループはスパース性に着目し、巨大シミュレーションデータに内在するセマンティクスを解析する技術を確立する。
具体的には、次の二つの研究テーマが最近の中心的な研究テーマである。
①材料物性の量子シミュレーションとデータマイニングの融合
開発する材料の性質及び形成過程に応じたパラメータ間の関連性を学習するために、回帰学習に基づくグラフィカルモデルの構造学習法を開発する。
②ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)データの解析
ソーシャルネットワーキングサービスデータに対して機械学習や自然言語処理の各手法を活用して社会の各問題に関する有益な情報や知識を獲得する。
主な研究業績
- Dam Hieu Chi, Tien Lam Pham, Tu Bao Ho, Anh Tuan Nguyen and Viet Cuong Nguyen,Data mining for materials design: A computational study of single molecule magnet, The Journal of Chemical Physics,140,4,p044101-1,2014.
- Dam Hieu Chi, Ho Tu Bao, Sugiyama Ayumu, Simulation-based Data Mining Solution to the Structure of Water Surrounding Proteins, International Join Conference on Artificial Intelligence (IJCAI), 2011.
- Dam Hieu Chi, Nguyen Thanh Cuong, Ayumu Sugiyama, Taisuke Ozaki, Akihiko Fujiwara, Tadaoki Mitani, and Susumu Okada, Substrate-mediated interactions of Pt atoms adsorbed on single-wall carbon nanotubes: Density functional calculations, Physical Review B 79, 115426, 2009
使用装置
学内のスーパーコンピュータ(Cray XC40)
研究室の指導方針
本研究室では、現実問題に挑戦する意欲を持ち、基礎理論を正しく理解して実践できる学生を育成することを目指している。データ解析学において応用研究活動は、1)現場の理解と共感、2)データ解析学問題への落とし込み・問題可決のためのアルゴリズムの開発、3)開発したアルゴリズムの実験的評価という三つの柱を持つ。この三つを実践する力のある学生を育成することが本研究室の目指すゴールである。学生が中心となる専門的な学習ゼミと英語学習会合わせてを週に2回程度、日本語および英語の教材を用いる。
[研究室HP] URL: https://www.facebook.com/dam.laboratory