究内容


(1)日常の様々な情報、モノ、状況への「気づき(Awareness, insight)」支援

ディジタル空間上の情報リソースを対象とする個人用電子図書館システムと、実空間の図書に対する図書推薦モデルに関する研究を行った。認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)における認知症高齢者(入居者)と介護者を対象とした。グループホームでの様々なモノに対する「気づき」支援を対象とし、屋内のモノや人の位置情報を利用した「モノ探し支援システム」や「危険回避・通知支援システム」の研究を行った。離れた相手とのコミュニケーションを行う際に、相手の状況把握がある。状況への気づき支援として、相手の状況や行動を時間と場所に基づいて、ベイジアンネットワークによって確率的に推定する。プライバシーや状況通知による負担を考慮し、推定した状況や行動に関連する効果音を用いて相手側に状況を伝達する。


(2)「個人や集団(コミュニティ)の改善」の支援

個人や集団が持っている能力や機能を発揮・促進させるシステムの研究開発によって、個人や集団を改善行動させるという点を重視する。「個人の改善」としては、生活習慣や行動改善である「行動変容に関する研究」です。タブレット利用時の姿勢改善やAI技術と行動変容技術によるスポーツ技能獲得支援の研究を行っている。「集団の改善」としては、「近隣生活者コミュニケーション活性化およびコミュニティ形成支援に関する研究」や「食材の物々交換における信頼が交換相手の食材に対する安心感に与える影響」です。

図1 スキー技能獲得支援システム

(3)「Diversity & Inclusion」の支援

「健常者と障がい者の協同遊びを支援する共遊玩具に関する研究:universal plaything」を進めております。視覚障がい者と健常者との共同絵画の支援の研究を行っている。


図2 視覚障がい者と健常者との共同絵画支援システム

究費


科研費採択実績

  • 2022~2024 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C): AI 技術と行動変容技術による技能の定着化を促すスキー技能獲得支援システム,研究代表(320 万円)
  • 2019~2021 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C): 地域包括ケアにおける多職種間情報共有のためのトラスト機構の研究開発,研究代表者(340 万円)
  • 2016~2018 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C): 視覚障がい者と健常者のための共遊クラフトアート支援環境の実現,研究代表者(350 万円)
  • 2015~2017 年度:科学研究費補助金基盤研究 (B): 看護・介護サービスの質を高める音声つぶやきによる気づきプラットフォームの研究,分担(105万円)
  • 2013~2015 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C): 擬似的な癖による長期的結果の提示による姿勢矯正促進システムの実現,研究代表者(370 万円)
  • 2008~2010 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C): 実世界における「モノ」への気づき支援プラットフォームの構築,研究代表者(340 万円)
  • 2005~2006 年度:科学研究費補助金基盤研究 特定領域研究: 新しい「知の創造の教育」モデルによる先端的な教授・学習支援システム(研究代表 永井由佳里),研究分担者(総額 610 万円のうち 100 万円)
  • 1998~1999 年度:科学研究費補助金奨励研究 (A): 事例ベース推論による形状認識機構を備えた遺伝的アルゴリズムによる板取システム,研究代表者 (210 万円)
  • 1996~1998 年度:科学研究費補助金基盤研究 (C)(2): 分散情報システムのモニタリングとその応用に関する研究 (代表 箱崎勝也),研究分担者 (総額 250 万円のうち約 50万円)

所属機関からの資金獲得実績

  • 2018 年度:北陸地区国立大学学術研究連携支援「ICT を活用した健やかな高齢社会の共創 ―地域特性を生かした北陸モデルの構築―」研究代表(10 万円)
  • 2017 年度:北陸地区国立大学学術研究連携支援「ICT を活用した健やかな高齢社会の共創 ―地域特性を生かした北陸モデルの構築―」(10 万円)
  • 2017 年度:北陸先端科学技術大学院大学研究拠点形成支援事業萌芽的研究支援:球面ディスプレイを利用した仮想的な立体切り絵体験システムの開発,共同研究代表者(140 万円)
  • 2016 年度:北陸先端科学技術大学院大学研究拠点形成支援事業萌芽的研究支援:インクルーシブ教育における視覚障がいと健常者の共遊アート支援システムための共遊促進機能に関する研究,研究代表者(70 万円)
  • 2014 年度:北陸先端科学技術大学院大学研究拠点形成支援事業萌芽的研究支援:人の無意識行動を制御するための通知手法の開発~ディストーション制御によるメガネ型姿勢矯正促進システムの実現~,研究代表者(120 万円)
  • 2011 年度:北陸先端科学技術大学院大学研究拠点形成支援事業萌芽的研究支援:デジタルスポーツ実現のためのスポーツトレーニング用シミュレータに関する研究~スキースポーツにおける動的環境下での Peripheral Awareness 手法について~, 研究代表者(90 万円)
  • 1998 年度:電気通信大学学内奨励金: 個人利用に適合した仮想図書館のためのインタフェー スに関する研究,研究代表者 (43 万円)

その他の外部資金獲得実績

  • 2017 年度:公益財団法人 大川財団: 視覚障がい者と健常者のための共遊促進機能によるクラフトアート創作支援,研究代表者(100 万円)
  • 2017 年度:戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)地域 ICT 振興型研究開発 平成 29 年 新規 課題提案:確率的潜在意味解析法(PLSA)を用いた
  • 2017 年度:先進的健康行動促進モデルの研究開発,分担(50 万円)
  • 2016 年度:国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発 安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築: 調査研究:情報管理・共有システムを活用した 地域包括ケア支援に向けた調査,研究代表者(300 万円)
  • 2016, 2017 年度:戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)地域 ICT 振興型研究開発 平成 28,29 年度選抜提案: 高齢者の健康自立を支えるコミュニティ形成のための地域情報分析・統合システムの開発,分担(100 万円)
  • 2004~2008 年度: 文部科学省・知的クラスター創成事業 (金沢地域) 石川ハイテクセンシングクラスター「アウェアホーム実現のためのアウェア技術の開発研究」(代表 國藤進) ,研究分担 (総額 19,156 万円のうち約2,000 万円)
  • 2000 年: 電気普及財団海外渡航旅費援助金:IEEE Information Visualization 2000 での研究発表 (27 万円)
  • 1999 年度:栢森情報科学振興財団研究助成金: 電子図書館のためのユーザ特性と情報特性を 利用したブラウジングインタフェースに関する研究,研究代表者 (60 万円 )        


  • 中田豊久,國藤進,金井秀明,國藤進,石田益朗:位置検出システム,そのデータ処理装置, そのデータ処理方法およびコンピュータプログラム (特願 2010-225541),(熱画像と距離画像をマッピングし,高精度で人の頭部の三次元位置を取得する技術), 出願日 2010 年 10 月 5 日.
  • 中田豊久, 金井秀明, 國藤進:移動体位置推定システム,及び,移動体位置推定方法 (特願 2008-033466 号),(位置の既知な固定 RFID タグとの電波の共変化により移動するタグの位置を検出する技術), 出願日 2008 年2 月 14 日
  • 中田豊久, 國藤進, 金井秀明: 特許: 移動体位置推定システム,及び,移動体位置推定方法 (特願 2006-185198号, 特開 2008-014742, 特許第 4032125 号), (事前知識として人が居る確率を地図にマッピングして,人の捜索などの効率を向上させる技術), 出願日 2006 年 7 月 5 日, 登録日 2007 年 11 月 2 日.
  • 中田豊久, 金井秀明, 國藤進: 特許: 移動体位置推定システム,及び,移動体位置推定方法 (特願 2006-185199号, 特開 2008-014743, 特許第 4032126 号), (人を捜すときに,捜す人の移動履歴を考慮に入れて,被捜索者の位置を推定する技術), 出願日 2006 年 7 月 5 日, 登録日 2007 年 11 月 2 日.
  • 中田豊久, 金井秀明,國藤進: 特許: 捜し物検知方法及び捜し物検知システム (特願 2006-172042 号, 特開2008-002921, 特許第 4065958 号), (部屋の中で紛失した物にスポットライトを照射することによって捜索を支援するシステムとその要素技術に対する特許.), 出願日 2006 年 6 月 22 日, 登録日 2008 年 1 月 18 日.12