東条研究室 Tojo Lab.
はじめに
人工衛星や人工呼吸はどういうものかよくわかる. それは衛星や呼吸というものがどういうものか,われわれがよく知っているから. では人工知能ということばはどうだろう?
われわれの脳を解剖したところで知能という実体は見つからない. 仕方ないから最初は欲張らずに知能を外から眺めよう. 人間は言語という手段で自分の思考を外に発することができる. とりあえずこれを知能の発現と考えようか.
さて,言語は計算機にわかってもらえるだろうか? 計算機 = チューリングマシンが取り込めるのはテープに書けるような一列の文字列であり,その文字列は一定の形式 = 論理を要求する. われわれの言語はどのくらい論理的か,あるいは論理はどれだけわれわれの言語に近づけるか? 言語と論理のインターセクションを考えることは,外から見た知能を計算機という鏡の上に映すことができるかどうかという問いを考えることである.