先端科学技術研究科 博士前期課程1年 岩間 裕司さん
留学先機関名:インド工科大学ガンディナガール校
(Indian Institute of Technology Gandhinagar(IITGN))
留学期間:2018年9月25日~2018年11月27日
留学のきっかけ
グローバル・リーダーシップ養成演習の講義内でこの留学プログラムについて知った。学生のうちに経験できることは何でも挑戦するという心構えでいた私にとって数か月単位の留学は非常に興味をそそり、また副学長の川西教授よりインドの学生が強い使命感を持っているということを伺い、ますますそれを肌で感じたいと思い希望した。
目標
留学にあたり、2つの目標を立てた。
①先生や学生との交流を通じて、研究や学業に対する姿勢について学ぶこと
②インドの文化に多く触れ、日本と異なる文化を多く知ること
留学先での活動内容について
認知科学分野で好奇心についての研究をしておられるJaison Manjaly先生の研究室へ所属し、好奇心とメタ認知の関係性についての研究を行うプロジェクトチームに参加させていただいた。主にチームの学生と相談しながら進める形で、はじめの1週間で好奇心に関する基礎的な論文を読み、その後メタ認知を促すことによって好奇心が刺激されることを示すことを狙いとした実験設計に関する議論や、先行研究の紹介を行った。私は実験で用いる質問紙の質問内容を考え提案する担当で、質問内容は完成したが、期間中に実験を実施することができなかったため、帰国後もメールで連絡を取りながら進めている。
学内での生活について
IITGNの学生と同じ学生寮で生活した。滞在した期間、全ての日が晴天で日中は日差しが強く大変暑かったが、日本と異なり昼夜の温度差が15度~20度あるため夜は非常に過ごしやすかった(現地の学生が夜になると外で大騒ぎするのはこのためかもしれない)。
学生は親切でにこやかに応対してくれ、困った時に誰に頼んでも助けてくれたため、現地で大変な思いをすることはほとんどなかった。学外の美味しいレストランや休日に過ごすスポットなども紹介してくれ、快適に生活することができた。
学外で触れた文化
週末を利用して可能な限り外出をした。移動は基本的にはUBERを利用したが、リキシャやトゥクトゥク、電車、飛行機(国内線)も利用し様々な場所へ訪れた。 ルール違反だらけの交通や、英語の通じないリキシャ運転手との値段交渉、物乞い、アピールしないと出てこないファストフードなどを経験した。スリなどの被害に遭わないよう常に気を張って行動していたが、危険な状態に陥ることは一度もなかった。
留学を通して学んだこと
目標に沿って述べる。
①先生や学生との交流を通じて、研究や学業に対する姿勢について学ぶこと
現地の多くの学生は博士課程への進学を計画しており、海外の大学院を予定している人が多かった。研究資源へのアクセスの容易さ等も理由として挙げていたが、自分の興味のあることを最もよく研究されているところを探した結果であるようであった。留学前に想像していたような、国に貢献するために強い使命感を持っているといった感覚はなかったが、単に自分の研究をできる範囲でやるというのではなく、結果を最大化するために環境を選ぶという考え方は参考になった。
また学生同士、先生に対しても相手の目をまっすぐ見て、自分の言葉ではっきりと意見を述べるという姿は印象的であった。会話やプレゼンテーションをする上で基本的なことであるが、自身の振舞いと照らし合わせて修正すべきことを考えることができた。
②インドの文化に多く触れ、日本と異なる文化を知ること
前述のように頻繁に外出したことで、大学内では得られないことを多く経験した。特に貧富の差が激しいということは強く感じたが、単に貧富の差を縮めることが良いのではなく、差があることによって成り立っていることも存在することを知った。異文化について考える時に、自分の国との差からその国でも自分の国と同じようにしたら良いと単純に比べるのではなく、現実の状況とその状況が人々に与える意味を十分考えることが重要であることを実感した。