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電子スピン共鳴装置・ESR
(日本電子 JES-RE3X)
電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance)、別名電子常磁性共鳴(Electron Paramagnetic Resonance)は、物質中に存在する不対電子にに連続的に強度を変えた静磁場を印加してそのエネルギー準位をZeeman分裂させた上で、一定の周波数のマイクロ波の共鳴吸収スペクトルを観測する方法である。不対電子を有する材料、例えば磁性材料、触媒材料および非晶質シリコンなどの解析に広く利用されている。
【特徴】
不対電子のスピンと核スピンの相互作用によって生ずるスペクトル中の超微細構造により不対電子を有する元素の同定ができる。共鳴スペクトルの強度を標準試料の共鳴スペクトル強度と比較することにより試料中の不対電子の濃度を見積もることができる。また共鳴スペクトルの位置の変化かから、不対電子の周囲の状態についての知見を得たり、半値幅の変化かから他の不対電子との磁気的相互作用について知見を得ることができる。
【仕様】
基準周波数 | 8.8 - 9.6 GHz |
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感度 | 1.0×1014 /T |
分解能 | 100 kHz 変調時47 mGが分解可能 |
周波数安定度 | 1×10-6 |
マイクロ波出力 | 0.1 μW - 200 mW可変 |
cavity mode | TE011円筒型 |
検波方式 | ホモダインクリスタル検波 |
磁場変調 | 0.0002 - 2 mT (100 kHz) 0.0002 - 1 mT (50 kHz) 0.0002 - 0.2 mT (25 kHz) |
磁場掃引方式 | 磁場直読・直線掃引方式 |
測定温度 | 300 K - 4.5 K |
【設置場所】
マテリアルサイエンス系4棟4階