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歌会始の儀

 この度、例年正月(今年は22日)に、皇居の宮殿内で最も格式高い部屋とされている正殿「松の間」で行われる「歌会始の儀」に陪聴者としてお招きいただきました。
 天皇・皇后両陛下をはじめとした皇族方の御前に、歌が選ばれた10名の預選者と5名の選者、読師、講師、発声、講領、陪聴者、宮内庁関係の方々など約60名程度が参列していました。陪聴者は、政治家や文化人、教育関係など各界から選ばれているようです。
 今年のお題は「夢」で、正月に行われる「歌会始の儀」にふさわしいと感じました。預選者の方々にとっては正に「夢」がかなった心地だったことでしょう。今回の応募総数は16250首で、その中から選ばれた10首と天皇陛下をはじめ皇室の方々の詠まれた歌などが独特の節回しで詠じられました。各歌は当日初めて披露されるため、正確に聞き取るのは至難の業でしたが、それぞれの歌の素晴らしさや儀式自体の厳かで雅な雰囲気は十分に感じ取ることが出来ました。
 「歌会始の儀」は、正月に行われる幾つもの皇室の行事を締めくくる重要なものであり、とても良い経験をさせていただきました。
 日本には伝統を重んじるという基本的な感覚がまだまだ色濃く残っていると感じました。

 以下に天皇陛下の詠まれた歌(御製)を記します。
 「旅先に 出会ひし子らは 語りたる 目見(まみ)輝かせ 未来の夢を」
 天皇陛下が、日本各地を訪問した際に出会った子どもたちが、目を輝かせて未来の夢について話す様子を嬉しく思い詠まれたものです。

 来年のお題は「明」と決まりました。私もぜひ応募してみたいと思っています。預選者として来年の「歌会始の儀」に参列するのは『夢』でしょうが。

令和7年2月3日

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