情報とは, 「様々な表現形態(符号, 言語, 記号, 身振り, 表情など)をとり, 発信者から受信者へ何らかの意味を伝えるもの (発信者の意味->変換->逆変換->受信者の意味)」とする.

ここで, 「意味を伝える」とは, 「受信者の内部状態になにかしらの変化が引き 起こされる」ということである. 内部状態とは, 「感情の状態」, 「知的状態」, 「判断に関する状態」, 「好奇心の満足に関する状態」などが主なものである (判断に特定すると企業情報に帰着). [金子86]

絶え間無い意思の確認と調整を可能とするメカニズムを提供する意思伝達のメディア としてコンテクストが重要(場による意味伝達だけに依存せず, メンバー同士の間にコンテクストを構築することで意味の伝達を図る).

何故なら, 有限のコードのみでは全ての意味(無限の意味)を表現できない一方, 場を共有する関係では, 反論したり議論したりするのが難しい (全人格に対する挑戦となる危険性がある).

補足:「場」と「コンテクスト」の違い

場:

包括的, 心情的な共有物で, これとこれを含むと特定できない 漠然とした全体.

時間, 時代, 居住環境とか文化を通じて無意識 のうちに入る, 分離不可能な 複合的, 雑多な情報によって形成され, ある一部だけを意識的に修正したり, 取り除いたりすることが難しい.

コンテクスト:

個別的, 具体的要素からなり, 全体として何かしらの脈略を保有した, ある種のプレ論理体系を提供する.

約束, 話し合い, 議論などにより比較的短時間に, 意図的/意識的に構築可能で, 必要に応じて一部を取り替えたり, 消去することが可能.